時速300kmで走行中に巨大地震発生! 助かる方法はあるのか?

全国民必読 自分の命は自分で守れ!
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東海道新幹線は開業時から、踏切を作らないようにするため全面的に高架や高い盛り土のうえを走っている。JR東海も、「(政府発表でも)東海道新幹線は津波による浸水を受けない想定となっております」としている。

しかし、静岡県の浜名湖付近では15m前後の津波が予想されるほか、愛知県豊川市内を流れる佐奈川の橋梁付近では最大10mの浸水が想定されるなど、津波が新幹線に肉薄する地区は複数ある。ここで東日本大震災のように、背の高い船などが流されてくれば、橋梁などに被害が出ることも想像に難くない。

対策を重ねても、被害がその上を行ってしまうのが自然災害の常。今後のさらなる対策に期待したい。

橋梁浜名湖にかかる新幹線と在来線の橋梁 Photo by PhotoAC

第2部 「ここに乗っていれば大丈夫」

さまざまな安全対策がほどこされていてもなお、未曾有の大震災では何が起こるか分からない新幹線。私たち一般の乗客が自分の命を守るためにできることは何だろうか。

「たしかに、走行中の新幹線の車内で巨大地震に遭遇しても、私たち乗客にできることは限られています。

それでも、いくらかは被害を減らすことができるかもしれないポイントはあるのです」

文部科学省の地震調査研究推進本部政策委員会などで委員を務める、危機管理アドバイザーの国崎信江氏はこう語る。

「たとえば、車内で緊急地震速報などを聞いたら、航空機の緊急時などと同じように、椅子に深く腰掛けて、頭を抱えて上体を倒す姿勢を取ること。これは万が一のときの大きな衝撃に耐えるためです」

さらに、そもそも新幹線に乗り込む前にできる地震への備えもあるのだ。

「それは座席を選ぶ際に、わずかな違いではありますが、より危険を避けられる位置を選ぶことです。

JR福知山線の脱線事故では、先頭から1~2両目で多くの方が亡くなりました。それを考えれば、前のほうの車両より、後方の車両を選ぶのがよいでしょう。

また、車両のなかでは、一番後ろの席がよいと思います。もし新幹線が急ブレーキをかけたり、何かに衝突するようなことになれば、網棚の上の荷物が一斉に前のほうに飛ばされていき、客席に降り注いでくる危険があるからです」(同前)

このほか、専門家の話などからまとめた10個のポイントが掲載した表だ。

座席選びについては、通路側と窓側ではどちらがよいのかという疑問も湧くが、「通路側だと衝突時に体が前に投げ出されるリスクが高い」という専門家と「窓側だと対向列車や周辺設備と車体が接触した場合に死傷する恐れが高い」とする専門家がおり、それぞれに一長一短であるらしい。

一方、表を見ると半数近くが新幹線に乗る前に準備しておくべき内容と分かる。本当の防災対策は、災害が起きてから慌てて行っても間に合わないのだ。

ちなみに、新幹線が巨大地震にあって停車したら、乗客はその後、どうなるのだろうか。とくに、周辺に駅などのないものさびしいところに列車が停止してしまったらどうするのか、徒歩で避難することになるのかを、JR東海広報部に訊いた。

「地震時に限らず異常時においては、列車を最寄り駅へ収容するのが合理的で基本的な考え方です。

列車で移動するために最大限の努力を行い、それでも列車の走行が困難な場合は業務用の自動車など、考えうる多くの手段を用いてお客様の救援を行います」

つまり、私たち乗客としては列車が動くまで、あるいは駅や基地などから救援の車が到着するまで、ひたすら「待ち」の状態が続くことになる。

また、66ヵ所あるトンネル内で車両が停止したり、停止後にトンネルの出入り口が崩落して閉じ込められるなど、極限の環境で平常心を保ちながら、救助されるまでの長時間を耐えなければならない可能性はいくらでもある。

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