Photo by Norihiro Kataoka / Flickr

時速300kmで走行中に巨大地震発生! 助かる方法はあるのか?

全国民必読 自分の命は自分で守れ!
マグニチュード9に達するとも予測される南海トラフ大地震。そのとき東海道新幹線はどうなる? どこも報じない、いまそこにある恐怖を全3部でお届けする。

第1部 そろそろやってくる巨大地震と新幹線

日本が世界に誇る夢の超特急・新幹線。脱線・衝突による乗客の死亡事故はゼロ。だが、迫り来る巨大地震と富士山噴火でも「絶対安全」と言い切ることができるのか。

東日本大震災から2年が経ったいま、日本を再び巨大地震が襲う日が近づいているのではないか、という不安が高まっている。

政府は2012年8月に引き続き、2013年4月18日に南海トラフ巨大地震の被害想定を発表し、最大で220兆円超の経済的損失が発生する恐れがあるとして、地方自治体や企業にあらためて対策を呼びかけた。

あの大震災以来、日本は地殻変動の活動期に入ったとされる。非常事態はまだまだ続いているのだ。

そして私たちは、東日本大震災が残した重い教訓も忘れてはならないだろう。

地震と津波によって発生した、福島第一原子力発電所の未曾有の大事故。

それまで原発では「安全だから事故など起こらない」「起こらない事故の想定はしなくていい」という、とんでもない論理がまかり通っていた。いわゆる「安全神話」だ。

次なる巨大地震が刻一刻と迫るなか、もはや私たちにこのような安全神話は許されない。あらゆる分野で、常に最悪の事態を想定し、何ができるかを検討しておく必要がある。

そこで今回、本誌が注目したのが、年間にのべ約1億4300万人('11年度)が利用する東西交通の大動脈・東海道新幹線。その安全対策はどのように行われているのか。技術評論家の桜井淳氏はこう語る。

「東日本大震災の際、営業運転中だった東北新幹線は1両も脱線しませんでした。

しかし、これは大変な幸運によるものであって、M9クラスの地震になっても新幹線は大丈夫なんだと短絡的に考えるのは間違いだと私は思いますね」

たしかに、新幹線は安全な乗り物というイメージが強い。'64年、東京オリンピックの年に東海道新幹線が開業して以来、脱線・衝突など走行中の事故による乗客の死亡者数はゼロ。

国際的にも評価は高く、2013年3月にはインドが日本政府との間で導入を基本合意したと報じられるなど、日本の花形商品なのだ。

モディ新幹線E5系電車の前で握手する日本とインドの首相

その東海道新幹線は、地震対策の要として、早期地震警報システム「テラス」を導入している。

「地震には、速く伝わる細かい震動、P波(初期微動)と大きなエネルギーを持ったS波(本震)があります。

テラスはP波を検知して、すぐに電力の供給を絶ち、大きな揺れが到達する前に新幹線の速度を落とす仕組みなのです」(桜井氏)

JR東海によると、テラスで地震を検知して電力を絶つと、時速270km(営業運転の最高速度。山陽新幹線の区間では時速300kmが最高速度)で走行していた場合、新幹線は最大約4km進んで止まる。かかる時間は約90秒だ。

「地震対策」の空白地帯

だがそれでも、東海地震や南海トラフ巨大地震でこれまでの常識が覆される可能性は否定できない。前出の桜井氏はこう話す。