NTTはどこへ行くのか
【第5章】NTTグループと海外進出の歴史(2)
あの時だからできた光ファイバー整備

世界に先駆けてFTTHネットワークを構築したNTTの工事風景 (写真提供:NTT)

第5章(1)はこちらをご覧ください。

組織の再編とNTTグループの登場

 さて、前回のNTT法を踏まえ、経営に関する日本政府とNTTのやり取りを説明しましょう。

 民営化から10年経った1995年、政府はNTTの組織体制について議論を再開しました。これはNTT法で一定期間毎に経営体制の見直しが決まっていたからです。日本電信電話株式会社は、長距離も地域サービスも一緒にやっていました。

 一方、アメリカでは1984年にAT&Tが分割され、長距離電話には多くの民間企業が参入し、通信料金が安くなっていました。それから10年以上経っているのですが、日本でもようやく市場競争を促そうと言う方向になりました。

 見直し議論から2年後の1997年、ついにNTT法が改訂され、日本電信電話株式会社は「持株会社」「NTT東日本」「NTT西日本」「NTTコミュニケーションズ」に分割されました。こうしてNTTグループが誕生します。

 NTTグループの分け方は色々ありますが、NTTが出している社史(NTTグループ社史)では四つに大別しているようです。

 まず、法律で規制されているNTT持株会社、NTT東日本、NTT西日本を規制会社(第1類)としています。第二のグループは、NTTコミュニケーションズとNTTデータ、NTTドコモの3社で競争会社(第2類)です。3社は規制の対象となっていない新規事業会社です。NTTグループの主要メンバーというと、この第1、第2グループを合わせた6社をさします。

 しかし、NTTグループはこれだけではありません。NTTファシリティーズやNTTレゾナント、NTTファイナンスやNTT都市開発など様々な関連会社があり、グループ全体では773社(2012年3月末、連結決算対象)にも達します。これら関連会社はNTT持株の傘下にありますが、通信事業だけでなく、様々な業種が含まれています。NTTグループだけで約23万人の雇用を抱え、その波及効果は取引先など100万人にもおよぶと言われています。

 企業ランキングでよく知られている米経済誌フォーチュン・グローバル・トップ500(世界上位企業500社、2012年度)で、NTTは29位にランキングされています。同リストのトップ50社には5社しか日本企業がなく、NTTはトヨタの10位、日本郵便の13位に次ぐ規模です。また、NTTグループは、日本国内の売り上げランキングではトヨタ自動車に次ぐ2位です。(2012年)

 NTTのグループ経営とは、これら773社におよぶ企業群をまとめるとともに、グループとして成長を続けることにあります。第1章で解説したNTTの中期経営計画は、中核6社を軸とするグループ全体の成長戦略を示すことをめざすものです。

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