佐々木俊尚『アマゾンのGoodreads買収で「本との出会い」が変わる』

〔PHOTO〕gettyimages

巨大書店アマゾンが抱える二つの欠点

 アマゾンが、本の感想を人々の間で共有できるGoodreads(グッドリーズ)を買収した。これは電子書籍の将来を考えるうえで、非常に重要な意味を持っている。

 Kindleの電子書籍も含むアマゾンの書籍購入で、不満点は二つある。第一には、本と出会う動線の乏しさ。第二には、レビューの質の低さ。

 第一の動線の問題は、アマゾンが協調フィルタリング的なレコメンデーションばかりに依拠していているところに問題がある。この技術は非常によくできているが、読者の過去の購入履歴にだけ紐づけられているので、まったく異なる分野で日ごろ読まないような本とは出会いにくい。またどうしても同じような読書傾向を持っている人たちどうしをリンクさせるため、購入する本がタコツボ化しやすいという問題もある。

 第二のレビューの問題。アマゾンのレビューはひと昔前のブログのコメント欄のようなもので、誰でもかんたんに匿名でレビューを投稿できてしまうから、あっという間に炎上させることができてしまう。点数の低い評価や中傷コメントを大量につけられ、名誉毀損に限りなく近い被害を受けている書き手は少なくない。

しかしこれら二つの問題は、アマゾンをソーシャル化していけばかなりの程度までは解決できる。

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