田原総一朗×濱田純一(東京大学総長)VOL.4
「起業家マインドをもつ東大生を育てることが今後の課題」

現代ビジネスブレイブイノベーションマガジンvol022(2013年4月3日配信)より
[左]田原総一朗さん(ジャーナリスト)、[右]濱田純一さん(東京大学総長)

なぜ日本の大学はランキングが低いのか

田原: 最後にちょっと伺いたいんですが、世界の大学ランキングというのがありますよね。東大は何位ですか?

濱田: 27位です。今年上がったんですよ(笑)。

田原: だけど、他の大学はもう惨憺たるものでね、なんで日本の大学があんなにランクが低いんですか?

濱田: いろいろな要素がありますが、一つは国際化の度合いが低い。外国人教員の数とか留学生の数とか、うちもそれは低いんです。ただ、計算してみると、仮にうちの外国人教員や留学生の数の割合がハーバードと一緒だったとしても、5位くらいしか上がらないんですよ。27位が20位ちょっとくらいになるだけですね。あとは、研究力・教育力というのがあるんですが、それも10位前後に近い力を持っているんです。

しかし、かなり順位を下げているのは、サイテーション=論文の被引用数、あれが下がっているんです。それで、一つはまだまだ研究水準を上げなければならないということと、それから、被引用数ですからやっぱり研究者のネットワークが弱いんですね。欧米の研究者のネットワークのなかに東大がどれだけ食い込んでいるか、ということなんです。

中国はそこでも今どんどん力を伸ばしているわけです。どんどん留学生を派遣し、アメリカに定着する人もいます。しかし、日本人はアメリカに行って研究はするけれども、日本に戻ってきてしまう。日本人だけで研究水準がここまできたのはすごいと言っているんだけれども、そういうギリギリのところにくると、世界のネットワークに日本人の研究者が入っているかどうか、そういうところが効いてくるんですね。

田原: 昔、京大の利根川進という人がノーベル賞をもらって、僕は利根川さんとは何度も話しているんですが、ノーベル賞をもらう研究をするのは20代だと言うんですよ。それで、30代、40代はその宣伝だ、と。「宣伝とは何をするのかというと、欧米の一流雑誌にどんどん論文を書くことで、ここがどうも日本人は弱いんじゃないか。欧米のその分野の一流雑誌に論文をガンガン書いて、世界で認められるかが大事なんだ」というお話でしたね。

濱田: おっしゃる通り、それが弱いです。他の大学も含めて一般に日本の大学ということでいえばそこが弱い。それから、本格的な研究ができる大学、とくにああいうランキングは理系の研究が響いてきますから、そういう大学は非常に限られているんですね。

田原: それはね、国立しかないんです。もっと言えば、東大しかないんです。

濱田: そうですね、東大、京大とか、限られた大学しかないですね。

田原: もっと言えば、早稲田の総長の奥島孝康さんがね、「早稲田の理工学部が良いといわれるけれども、基礎研究を何もやっていないじゃないか、ノーベル賞なんか全然手が届かない」と言っていて、それはなぜかというと、「早稲田は東大に比べるとインフラが数百倍違う」と言っているんですね。千倍くらい違うんじゃないかと言っていましたよ、歴史もあるしね。

濱田: やっぱり、理系の分野というのはとくにノーベル賞だとかランキングみたいなところでは、東大が頑張らなければいけないと思いますね。

田原: 一桁台に入っていかなければダメですよ(笑)。

濱田: 分野によっては一桁台に入っているんですよ、物理とかね。

田原: いや、総合で。

濱田: 総合になると低いんですけどね(笑)。

田原: なんで低いんですか?さっきおっしゃっていたけれども、研究もやっている、外国人の教授もいる、留学生もいる、にも関わらずなんで低いんですかね?

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<目次>
なぜ日本の大学はランキングが低いのか
■平等主義と競争主義の両立
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