前泊博盛(沖縄国際大学経済学部教授)氏がスクープした外務省の極秘文書、『日米地位協定の考え方』の存在

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」号外(2013年4月4日配信)より
佐藤 優 プロフィール

前泊: モノはこれなんですけど、と言って見せたら、「おおっ、懐かしいな」と本人が思わず手に取ってしまった。

邦丸: そんなズルズル、アリですか。

佐藤: 前泊先生、なんでこのタイミングで丹波さんのお名前を出すことを決意されたんですか。

前泊: 彼が話している中身を読んでみるとわかると思いますけれど、地位協定の改定の話をしても誰も絶対にのりませんという話をすると、彼は「もし自分にチャンスがあるのであれば、階級を2ランク下げてでも、それにチャレンジしたい」と話しているんです。

邦丸: ところで、「日米地位協定」は、その言葉はよく聞くんです。じゃ、日米地位協定とはなんぞやというと、非常に話が長くなるわけですが、前泊先生、ざっくり言っちゃうとどういうものなんですか。

前泊: 日本の敗戦によって米軍が進駐軍として日本に駐留します。つまり、占領軍が日本にいたわけです。講和条約を結ぶと、主権を回復したということで占領軍は撤退しなければならないわけですけれど、ところが講和条約を結んだあともいる。その「いるための条件」というのが日米地位協定です。この地位協定を結ぶことによって、日本に占領軍がそのままいることがオーソライズされてしまった。占領政策を延長させるために結んだ協定ではないか、と私は受け止めています。

邦丸: 戦後70年近く経っても日米地位協定によって実際、アメリカ軍の基地が日本には数多くあります。沖縄は日本の国土の0.6%しかないところに74%の基地がある。おかしいじゃないかということなんですが、丹波さんがお書きになった「日米地位協定の考え方」という文書は・・・・・・。

佐藤: 要するに、こういうことなんですよ。「日米安保条約」をエクセルのようなアプリケーションと考えていただければいいと思うんですね。パソコンにエクセルが搭載されていても、マニュアルがなければ使えないじゃないですか。そうすると市販の「エクセルのわかりやすい使い方」を読む。「日米地位協定の考え方」はそういうわかりやすいマニュアルのようなものですよ。この条約をどういうふうに読むのか。どういうふうに解釈するのか。あるいは、ここは日本にとって都合の悪いところだからバレないようにしようとか。

前泊: 逐条解説書ですね。

佐藤: 外務省がよくつくるんですよ。たとえば、これで丹波さんの名前が出たでしょ。外務省は今、あわてて対外応答要領っていうのをつくるわけです。丹波さんが2004年1月9日に琉球新報に会って「日米地位協定の考え方」という文書をつくったことを認めていたんですか、と質問されたら――

1.ご質問の報道については承知している。2.外務省としての立場を述べることは差し控えさせていただく。3.やったことについてどう評価するかということについては、丹波氏は現時点で外務省を離れている人なので、離れている人のことについては言えない。ただし、丹波氏を含め、国家公務員法第100条によって国家公務員は退職後も守秘義務を負っている

――ということを言って、丹波さん、もうしゃべるなよと牽制する。こういうような文書をすぐつくるわけですよ。

邦丸: なるほど。エクセルは最初からパソコンに入っているけれど、使い方についてはよくわかっていない。その使い方が書かれた文書。

佐藤: 昔あったスーパーマリオの裏マニュアルみたいな感じですね。・・・・・・

編集部からのお知らせ!