NTTはどこへ行くのか
第4章 NTTの競争相手はグーグル(2)
通信網のクラウド化に対応する

カンザス・シティーにあるグーグル・ファイバーのショールーム 〔PHOTO〕gettyimages

第4章(1)はこちらをご覧ください。

急速に成長するクラウド・ネットワーク

 現在、グーグルが先駆けとなってクラウド・ネットワークは、どんどん拡大しています。米国では、ヤフーやフェイスブック、ネットフリックス(ネットビデオ配信)などが、グーグルをお手本に独自のクラウド・ネットワークの整備を進めています。つまり、通信事業者のテレコミュニケーション・ネットワークに代わって、クラウド・ネットワークが通信業界で台頭しているのです。

 では、グーグルや米国ヤフー、フェイスブックなどのクラウド・ネットワークは、どのくらいの通信量を占めるようになっているのでしょうか。

 こうした状況を指摘した文献としては、2009年に発表されたアトラス・インターネット・オブサバトリー(ATLAS Internet Observatory)が有名です。同論文では、インターネットの黎明期、つまり1995年から2007年ぐらいまでは、少数の国際キャリアを頂点とする4階層モデルで信号のやり取りが行われていたと述べています。

 この国際キャリアとは、トランジット・サービスを提供する企業です。トランジット・サービスとは、それぞれの地域網の間を結ぶ幹線網のことです。道路で言えば、高速道路を運営している事業者です。

 当時、インターネットの信号はトランジット・サービスに依存していました。具体的には、2007年当時で全インターネット・トラフィックの5.77%をレベル・スリー(Level 3)が占めトップに位置しています。レベル・スリーは当時、グーグルのネットワークを支えていました。同社をトップに、2位にはグローバル・クロッシング(4.55%)、3位にはAT&T(3.35%)、4位にはスプリント(3.2%)が続き、5位には本レポートの主役NTTグループが2.6%で並んでいます。

 しかし、2009年になると状況は大きく変わります。第3位にグーグルが5.2%で食い込み、米CATV最大手のコムキャストが第6位(3.12%)に登場しています。たった2年間の間に、世界第5位にいたNTTはあっさりグーグルなどに追い越されています。ちなみに、全世界のインターネット・トラフィックではなく、グローバル・トランジット・サービスでは、NTTグループが現在も世界3位にいます。

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