パエリャ、スペイン風オムレツ、にんにくスープ、ガスパチョ、タコのガリシア風、鰯のマリネ、イカの墨煮、アヒージョ。
どこのスペイン料理屋でもおなじみの料理である。しかしこれらはスペイン全土から集められた料理であり、総合カタログ的要素という側面がある。
東京のスペイン料理屋は、こうした全土の代表的料理を出すというスタイルが多く、長くその状況は変わらなかった。しかし、イタリア料理界が、全土代表料理店から各地郷土料理スタイルに変わっていったように、東京のスペイン料理界も、2000年頃より各地の郷土料理を出す店が増えてきた。
海外での経験を踏まえて日本人の舌が成熟してきたのと、若い料理人が現地で修行してその郷土の味を再現しようと奮起し始めたからである。
最近30代の料理人によるスペイン料理屋の勢いに目が離せない。今まで日本では食べることのかなわなかったスペインの味を、次々と体験させてくれるからである。
その一軒が、去年代官山にできた・・・・・・以下略