慶応に大きく差をつけられて 早稲田のライバルは明治になったのか第1部 なぜこんな中途半端な 大学になったのか

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 僕が就職活動中に実感したのは、やっぱり東大や慶応は別枠になっているということ。人数が多い1次や2次の面接では、グループ分けとかで結構わかるんです。最初に集まった部屋から6人一組で呼ばれていくのに、ひとつだけ3人の組があったりする。あとでその組の人に声をかけて聞いてみると、だいたい東大や一橋などの国立か、OB訪問をして引っ張られている慶応だった。早稲田の人には会ったことがない」

 しかも実は、早稲田は授業料が高い。たとえば早稲田文系のトップ、政経学部の初年度納付金は合計130万4500円もする。対して慶応の経済学部は、125万9350円。私大の学費はどこも上昇を続けているが、早稲田の上昇率は特別高く、いつのまにか慶応を追い越してしまった。

 受験生の目からすれば、早稲田は就職ができなくて、学費の高い大学である。受験生にとって、慶応を蹴って早稲田を選ぶ理由は少なくなる一方だ。ある予備校関係者によれば、「早慶の両方受かった場合、どちらを選ぶかを調査したところ、早稲田の法学部と慶応の法学部では、95%が慶応を選ぶというデータがある」という。

 そして、振り向けば明治—というより、すでにある面では負け始めているかもしれない。入試志願者数は明治が早稲田を破って4年連続1位。就職率でも76・9%と早稲田に0・8ポイント差で勝っている。企業側の声も、早稲田に厳しい。

「東大や慶応のできる子ほどの優秀さがない割に、プライドだけは東大並みに高い。それでいて、就職に向けての業界研究などは明大に比べるとあまり練れていない」(ITコンサル人事)

「大手ではなく、うちのような中堅になると、早稲田の学生は『受けにきてやっている』と言わんばかりの態度を取る。たまに受けにくる東大や慶応の学生はそこまでひどくない」(中堅専門商社人事)

 早稲田のもう一方の華、スポーツでも、最近は他大の後塵を拝することが増えた。森氏が人生をかけたというラグビーも、いまや帝京大学には敵わない。駅伝も野球も、他大より力を入れて全国から選手を集めている割に勝ち切れない。すべてが中途半端。それがいまの早稲田なのだ。

 かつて大物の登竜門として栄えた早稲田と、現在のこぢんまりとまとまった早稲田。そのギャップは埋まるどころか年々大きくなっている。

「週刊現代」2013年3月30日号より