"中学受験の神様"日能研・小嶋隆社長に訊く 【前編】
正解のない問題に創造的な答えを出す「レゴ型能力」が必要な時代です

「ジグソーパズル型」ではなく「レゴ型」の能力を高める

---保護者は、学校や塾にどんな期待をしているのでしょうか?

 やはり、学力重視の方が非常に多いですね。しかも、単純に「勉強ができるようになってほしい」ではなく、「社会に通用する学力をつけてほしい」という要望が強くなっている。学校に求めているものが、少しずつ変わってきているということです。

 大きな会社に入っても、もはや一生安泰という時代ではない。「食べていく力」を蓄えなければなりません。

 しかも、アンケート結果を見ると、10年前に比べて、四年制大学を出たお母さんがかなり増えています。「良妻賢母になれ」と求められることもなく、仕事と子育ての両方に頑張ってきたお母さんも多い。そのように、お父さんもお母さんもいろいろな社会的知識を持つようになり、教育への意欲も関心も高まっている。その分、先生への注文も期待も大きくなっているんです。

 大卒が同世代の2割くらいしかいなかった時代は、学校の先生は、大学を出ているというだけでリスペクトされる存在でした。ところが今は、6割が大卒です。そこでつい、親は先生の悪口を言ってしまいがちなんですが、これだけは、子供の前で絶対にやってはいけないことなんです。

 そういうことを、子供は聞いていないようでも、しっかり聞いているものです。親が悪く言う先生を、子供が信頼するはずがありません。そうなると、実は子供の学力も伸びなくなるという傾向があるんです。

 子供の学力を調査すると、47都道府県の中で一番高いのが秋田県なんですが、秋田では学校の先生がリスペクトされています。調査すると、先生に対し「尊敬する」と答える人が多いんです。「先生になりたい」という人も多い。そういう意識が、子供の成績の良さの背景にあると思います。

 その意味で、社会全体が真剣に考えなければいけないのは、「本当に優秀な人たちが先生になる仕組み」です。例えば、給料を大きく上げてもいいのではないでしょうか。

 そうやって、知識で武装した優秀な人材を獲得するんです。これだけでも、状況はかなり変わると思います。