作家で戦略家のリチャード・ワトソンが興味深い予測を発表した。1950年から2050年までに「この世からなくなるもの」を予測してまとめた「絶滅のタイムライン(Extinction timeline 1950-2050)」(※)だ。
これによると2016年に「退職」という概念がなくなるかもしれないという。その理由を推定すると以下の3つが挙げられる。
第一は、職のフラグメント化だ。従来一人の人間が行っていた仕事を、複数の人で分担し得意なタスクを行う、フレキシブルなパートタイム制が導入されるため、経験豊富な高齢者がその一端を担いうる。
第二に、時空制限に囚われずに働くノマドワークスタイルの普及により、例えば入院中であっても、病院にいながら働くことも可能になるかもしれない。
第三が、能力主義による職の配分。年齢とは無関係に、能力がある人に仕事を任せるようになるため、職種によっては高齢者も活躍できる。
もちろん前提としては、高年齢者雇用確保措置年齢(定年)の延長や、高齢者医療の充実が必須だろう。
この「絶滅のタイムライン」を眺めると、時代の変化がくっきりと見えてくる。
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