野球だけじゃない!「大谷世代(1994年生まれ)」はなぜ強い?
水泳世界記録保持者も、五輪銅メダリストも、サッカー英マンCが狙う逸材も、ソチの金メダル候補もいる

フライデー プロフィール

「今の若いアスリートは、早い段階から年上に混じって強化トレーニングを受けることが当たり前になってきていて、ハイレベルな指導が仰げる。例えば卓球で言うと、有望な選手は10代前半から(NTCの近くにある)赤羽の小中学校に通いながら練習をしています。また、競技別拠点としてフィギュアスケートの中京大学アイスアリーナ(愛知県)やサッカーのJヴィレッジ(福島県、現在は震災の影響で閉鎖中)などの充実もあり、ナショナルチームによる世界レベルをイメージした練習が恒常的に行われるようになりました」(前出・青島氏)

 現在、卓球世界ランク23位の丹羽孝希はこう語る。

「年齢も実力も上の選手と練習すると、当然だけど、飛んでくる球のスピードも精度も全然違うんです。そういう経験をたくさん積んだことで、成長できたって自覚はあります」

 もともとはメジャー志望だった大谷ら「'94年組」にとっては子供の頃から世界標準が当たり前。それをサポートする体制も、成長とともに着々と整えられた。彼らの視線は、初めから日本を超えている。ライバルは海の向こうにいるのだ。

「年齢の上下は関係ない。意識したら負け」
丹羽孝希(青森山田→明大)

得意技はカウンタープレー。ただ球に合わせるのではなく、抜群の反射神経を活かして自ら前に出て振り切る

「11歳の時、U‐18の日本代表に選ばれて初めて海外に行ったんです。そこで他国の年上の選手たちと戦ってみて、なんと言うか、すごく楽しかった。それで視野が広がったというのはあります。ライバルが世界中に増えたような感じで」

 現在世界ランク23位。今年1月の全日本選手権では〝絶対王者〟として君臨していた水谷隼を破り初優勝。今や、丹羽孝希は日本男子卓球界の顔と呼ぶに相応しいプレーヤーだ。昨年のロンドン五輪アジア予選ではシングルスで世界ランク1位の馬龍を破るという大金星を挙げ、日本の団体出場枠の獲得に貢献した。

「やはりオリンピックに出ることは一大目標だったので、予選からとにかく勝ちにこだわりました。ただ、本番ではベスト8どまり。本当に悔しくて、あの悔しさは今でもまったく拭えないです。リオ五輪でリベンジするしかないですね」

 まだ十分にあどけなさを残す風貌ながら、発せられる言葉はどれも極めてストイックだ。

「自分はゆとり世代かって? 考えたこともなかったですね。卓球は年齢が関係ないスポーツなので、そもそも世代というものを意識しないんです。僕自身、歳は下でもシニアのレベルで戦っているので、自分は高校生だからとか思ったら、もう負けだと思っています」