糸井嘉男超人伝説「ノーコンやな」「いや、これ黒です」
新聞・TVは報じないWBCの真実

フライデー プロフィール

「二軍時代、一緒に一軍の試合を見ても、『すげェ!』『エグい!』のふた言しか言わない。いつも、『お前の球も充分エグいよ』と思って聞いていましたよ」

 同期入団の金森敬之投手(現・愛媛マンダリンパイレーツ)は打者転向が決まった頃の糸井を振り返る。

「ピッチャーとして入団したのに、メーカーの方が、野手用のグローブを糸井さんの部屋に届けてしまったことがありました。その後、野手転向が決まると、『あのときにはもう決まってたんやな。メーカーもわかってたんや』って言うんです。どう考えてもただ間違えただけですよ。でもすぐに気を取り直して『もう外野でやるわ。お前が投げるときは全部捕ったる!』と話す優しい先輩なんです」

 そう、糸井は切り替えの早さも超人的なのだ。別の同僚はこんな姿を目撃している。

「千葉・鎌ケ谷の寮で『メジャー』という野球アニメを一緒に観たのですが、どうやらすっかり感動してしまったようで、ボロボロ泣いているんですよ。いいオトナが人前で、あり得ない? いえいえ、そこが糸井さんの魅力なんです」

 超人はいつだってピュアな心を忘れない。で、そんな超人が車を買えば、そりゃこうなるわけだ。前出の金森氏が続ける。

「寮にいた頃、なぜか毎晩のように糸井さんが『パトロールや。鎌ケ谷の街を守るぞ!』と言い出し、黒塗りのセルシオでドライブに連れて行ってもらいました。といっても、いつもマクド(ナルド)やコンビニを回るだけなんですけどね。

 部屋ではよく、ダル(ダルビッシュ有・レンジャーズ)と僕が糸井さんにオバケや心霊現象の話をしていました。話の最中に、『アッ!』と窓のほうなんかを指差すと、糸井さんは飛び上がって、『エッ⁉ お前、やめろや!』とマジで怖がる。あげく、『もう、アカン。怖ァて一人で寝られへん』と、僕の部屋で寝るんです。

 よく、一緒にコストコにも行きました。あそこは通常より大きな商品が売られていますよね。いわゆる業務用サイズ。シャンプーを手に取った糸井さんに『それ、めっちゃデカいっすね』と言ったら、『エエやろ、作業用や!』って(笑)」

 何の「作業」なのか、それは超人にしかわからない。だがそれゆえ後輩から慕われる糸井こそ、3連覇のキーマンだ!

「フライデー」2013年3月22日号より