早春の天気は移り気だ。前日の予報を見て朝寝を決め込んでいたら、早く起きろと妻がいう。寝床から這い出し窓を大きく開けると、清々しい青空が一面に広がっていた。家で終日過ごすのはもったいない、暖かな春の陽気である。そこで思い立ち、妻を急かせて駅に向かった。
「いったいどこへ行くつもり?」
と、説明もそこそこに連れ出された妻は少々ご立腹。何の“当て”もなく飛び出したことは確かだが、ジャケットの内ポケットにはドコモタブレット「MEDIAS TAB UL」がある。これなら目的地までの行き方や時刻表も調べられるので、急なお出掛けでも困らない。
さて、妻とどこへ行こうかと相談。春の長閑な景色を楽しみたいというので、それならローカル線に乗ろうと提案。タブレットで検索すると、小湊鐵道なら春の里山の風景が楽しめて、夕方遅めには帰ってこられそうだ。そこで東京駅から千葉を経由して、始点の五井駅へ。待っていたのは、懐かしいディーゼル車両。エンジン音が重々しい。単線を行く、たったひとつの車両。車窓から眺める長閑な里山の風景が、心地よいスピードで流れていく。
「もう少しで桜の名所だよ」
と、タブレットの画面を見ながら妻に伝える。一面に咲き誇る桜と菜の花を見て、微笑みを浮かべる妻。
「今度は私も」
とタブレットを手に取り、何やら調べ始めた。大画面なので検索の際も見やすく、また画面に触れるたびにタッチパネルが振動するので、クリックや文字の入力がしやすいと驚いた様子。
「ここへ行きたい」
とタッチした指先に表れたのは養老渓谷。温泉宿「滝見苑」の昼食もその場で予約。
養老渓谷駅で下車し、レトロな駅舎を背景に記念写真を撮影。薄くてコンパクトなタブレットだが、デジカメ並みの約810万画素のカメラを搭載しているうえ、手ブレ補整にも対応。
撮った写真を大画面で確認しながら加工できるので、撮影後の楽しみも増えそうだ。充電が長持ちするのでたくさん撮影できるのもうれしい。
滝見苑の“季の味庵”で旬の筍料理を堪能してから、宿の露天風呂でひとっ風呂。帰り際、養老渓谷を散策して春の空気を満喫し、あわてて出掛ける旅も7インチタブレットがあれば安心と実感したのだった。