長谷川幸洋「WEBの政治報道を変えたニコニコ動画はどこへ向かっているのか」

政治家の記者会見にニーズがあることがわかった

 新聞とテレビ、雑誌が中心だった日本のジャーナリズムに新しい風を吹き込んだのは、株式会社ドワンゴが運営するニコニコ生放送だ。前回に続いてニコ生のニュースチーム統括責任者を務めた亀松太郎(現在はフリーランス)の話を中心に、今回はニコ生の挑戦とジャーナリズムにもたらした意味について考えていく。

 インターネットの世界では、2ちゃんねるのように利用者がテーマを決めて勝手に発言する場はあった。だが、ニュースの現場にカメラを持ち込んで生中継したり、注目を集める人をスタジオに呼んで話を聞く試みを本格的に始めたのはニコ生が最初である。

 ニコ生はどのようにして始まったのか。亀松が語る。

「最初はニコニコ動画だったんです。サイトの中に編集された動画をアップして、そこに視聴者がコメントを付けられるようにした。YouTubeの日本版にコメントが付いたようなものです。それが途中からニコニコ生放送に発展していった」

「ニコニコ動画がどういうものかと言えば、基本はあくまでもプラットフォームです。そこにどういう情報を流すか、コンテンツは利用者に決めてもらう。私たちは自分ではコンテンツを作らない。自分でやるとコストがかかるからです」

「利用者がやりたいことをやれるような場やツールを提供する。たとえば『歌ってみた』という場では視聴者がカラオケで歌ってみてネットに流す。すると、中には評判になってプロデビューを果たすような人も出てくる」

「それをやっているうちに、生中継してもできることがあると気がついた。たとえば政治家の記者会見とかをやってみると、結構ニーズもある。本来はプラットフォームにすぎなかったが、政治家の記者会見を昼間に出かけていって中継する作業は、ある程度、資金力があるチームでないとできない。それでニコ生をやってみたわけです」

「たまたま民主党に政権交代して、記者会見をネットで公開する気運が盛り上がった。岡田克也外相(当時)が初めて会見を公開したんです。会見をノーカットでぜんぶ中継してみたら反響があった。亀井静香金融相(当時)の会見もそうです」

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