[WBC]
初戦はブラジルに辛勝、8回に逆転

スポーツコミュニケーションズ

<試合レポート>

攻守のチグハグさが苦戦に

「苦しかった」
 山本浩二監督は開口一番、正直な感想を漏らした。これが国際大会、一発勝負の恐ろしさとはいえ、攻守のチクハグさが招いた苦戦だった。

 まず最初の誤算は先発の田中だ。不安視されていた立ち上がりの悪さがモロに出てしまった。直前の強化試合では2試合連続で初回に失点。大事な初戦のマウンドでも、先頭のパウロ・オルランドに対し、セカンドへの内野安打と悪送球が重なり、二塁まで進めてしまう。続くフェリペ・ブリンにもライトフライながら、いい打球を運ばれ、走者は三塁へ。3番レオナルド・レジナットには三遊間を破られ、あっという間に先制を許した。

 田中は相手を抑えようと勝負を急ぎすぎ、勝負どころでボールが甘く入る。2回も下位打線に連打を許す内容で、ベンチはわずか23球ながら左腕の杉内俊哉に交代の決断を下した。

 この若きエースの早い降板でチームの歯車が狂う。それは3大会連続出場の杉内といえども例外ではなかった。日本が2-1と勝ち越した直後の4回、突如、ピッチングを乱す。前回大会では5試合でヒットを1本も打たれていないサウスポーが先頭のレジナットへレフト線への二塁打を浴びると、1死後、佐藤二朗にセンター前へはじき返された。2-2と再び試合が振り出しに戻るタイムリー。杉内も2イニングを投げて1点を失い、降板した。

 さらにチーム内の動揺が見て取れたのが5回の守りだ。1死からオルランドに三塁前のセーフティバントを決められる。さらにディレードスチールを簡単に成功された。日本のお株を奪うようなブラジルの攻撃といえば聞こえはいいが、侍ジャパンの守備陣も無警戒すぎた。 

 得点圏に走者が進み、2死2塁で打席には2打数2安打のレジナット。東尾修投手総合コーチがマウンドに行き、敬遠かと思われたが、結果は勝負を選択する。だが、これが裏目に出た。甘く入った変化球を左中間へ飛ばされ、2塁走者が生還。日本は自慢の投手陣が失点を重ね、2-3と1点のビハインドを背負う。