[サッカー]
大野俊三「Jリーグ開幕、本命は広島!」

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鹿島、大事なのは負けないこと

 一方で、心配なのが古巣の鹿島アントラーズです。昨季に続いて、監督、選手ともに大きく顔触れが変わりました。パスの供給役のMF野沢拓也が戻ってきたのは心強いですが、受け手となるFWも新加入のダヴィです。これにより、中盤から前線へかけての組み立て方を再構成する必要が出てきました。昨季J2得点王・ダヴィの能力がいくら高くても、連係がうまくとれなくてはゴール量産は難しいでしょう。基本的に鹿島は安定したディフェンスから、ボールを奪い、速攻と遅攻を使い分けてゴールに迫るスタイルです。ダヴィには少しでも早くチームのコンセプトに順応してほしいですね。

 もちろん、ダヴィの加入によるプラス面もあります。それはFW大迫勇也への相手の警戒が軽減されることです。昨季の大迫はワントップとして起用されるケースが増えました。ただ、どうしても集中的にディフェンスを受けるため、なかなかフリーにさせてもらえなかったのも事実です。今季はダヴィと2トップのコンビを組むことが予想されますから、相手DFはターゲットマンの大迫と裏へ飛び出すダヴィの両方をケアする必要が出てきます。前線のバリエーションが増えるのは今季の鹿島の楽しみなところです。

 前回も書いたように、新監督のトニーニョ・セレーゾは守備ありきのスタイルを志向しています。第1次セレーゾ政権時(00年~05年)は、前線からのハイプレスを徹底していました。前線から相手の攻めるコースを規制して、できるだけ早い段階でボールを奪う。今季の鹿島はそのハイプレスを再び取り入れてくると見ています。

 攻撃に関しては、昨季は連動性が見られませんでした。ボールを動かすたびに選手が止まり、次にパスを受けるべき選手が動き出していないなど、ぎくしゃくした印象を受けたものです。24日のプレシーズンマッチ(対水戸)を見ると、多少、連動性は出てくるようになってきてきました。しかし、守から攻へ転じる時には、まだ戸惑っている観があります。速攻なのか、遅攻なのか、選手間での意思を十分に共有できていないのでしょう。この部分は時間をかけて、すり合わせていくしかありません。鹿島にとっては開幕から大事なのは、負けないこと。負けが込むとどうしても戦術やメンバー変更を考えてしまうものです。サガン鳥栖との開幕戦(アウェー)では、まず負けないためにしっかりと守ることを意識してほしいですね。