週現スペシャルこれぞ、究極の格差社会 使える理系使えない理系【PartIII】 理系の頂点「東大理Ⅲ」の人々の頭脳

週刊現代 プロフィール

 いまはサイエンス系CG制作会社の株式会社サイアメントの代表も務める瀬尾氏。CG制作に傾注しているかと思いきや、研修医業を最優先にしているという。

「何事も、当たり前のことをきちんとやらないのはイヤなんです。世間には患者さんの話をじっくり聞くのを面倒がったり、看護師さんの名前を覚えなかったりする研修医もいますが、それもおかしいと思う。

 こういう姿勢を貫いていることで信頼していただけたのか、研修医として回る各科で、先生方から『君のやっているCGでこんなことはできないか』とアイデアをいただいています。

 実際に患者さんと触れ合ってみて、大学に入った頃とは目標が少し変わりましたね。CGで番組を作ったりするだけでなく、診断や治療にまで活かせないかと考えるようになった。

 研修期間の終了をもってひとまず医師としてのキャリアは終え、CGに軸足を移しますが、東大の先生方とは密接にコミュニケーションさせていただきたい」

 常人にははかり知れない未来を、理Ⅲの頭脳が切りひらいていく。

PartIV 宇宙に行ける理系ノーベル賞とる理系落ちこぼれる理系

 さまざまな分野に広がる理系の世界。その最先端の現場にいる人々には、どのような世界が見えているのだろうか。

「私の専門は小惑星の軌道計算です。日食や月食がいつ起きるか正確に予測できるように、小惑星は観測できれば軌道を100年先まででも、かなりの精度で計算することができます。たとえば今月16日に月の周回軌道より内側を通って地球に最接近する小惑星『2012 DA14』は地球に衝突しないと分かっている。

 一時期、2029年に衝突するのではないかと言われた小惑星アポフィスも、衝突説はすぐ否定されました。2036年にも地球に接近しますが、このときも衝突の可能性は極めて低いでしょう」

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)で、小惑星探査機はやぶさ2のミッションマネージャを務める吉川真准教授はこう語る。