小室哲哉 独白90分「僕はいまC型肝炎と闘っています」

'90年代の栄華からの苦悩の末に…
フライデー プロフィール

「死」を稚拙に考えていた

 小室が患っているC型肝炎は、ウイルス性肝炎のひとつで、WHOによると、感染者数は日本で約200万人。世代別に見ると、50代以降の中高年者が大半を占めている。主な感染の原因として、輸血やタトゥー、覚せい剤を使用する際の注射針の使い回しなどが指摘されている。

「それらには身に覚えがない。僕の場合、世代的に、子どもの頃のBCG予防接種で針を使い回しした可能性も考えられるということでしたが、はっきりとした感染理由はわかりません。ただ、病気にかかったと父に伝えると、父も若い頃に肝炎にかかったことがあると話していました。そのまま放っておくこともできましたが、父からのアドバイスもあり、治療に踏み切ったのです」

 C型肝炎の治療として一般的なのが、肝臓からウイルスを排除するためのインターフェロンを週に一度注射し、飲み薬を朝晩服用するものだ。副作用として発熱、嘔吐、食欲不振、鬱症状などがある。

「昨年11月半ばからインターフェロン治療を24週間続けることになりました。同じC型肝炎でもいくつか種類がありますが、僕はインターフェロン治療が効きにくい1b型というもの。正直、副作用の不安はありました。治療を始めた当初は、高熱になり身体には蕁麻疹が出た。ただ、僕はそれに耐えることができた。桂子の苦しみを見ていたからです。

 桂子が倒れ、救急車で運ばれたあの日のことは鮮明に憶えています。すぐに緊急手術の準備が整えられ、病院到着から1時間後には手術室に入りました。くも膜下出血は、人が急死したときの死因としてよく聞くイメージがあったので、手術室に入る彼女を呆然と見送る瞬間、これが最後になってしまうかもしれない……という思いも正直ありました」

 二人の結婚は '02 年。結婚披露宴には小室ファミリーが集い、テレビで盛大に生中継された。だが、幸せな日々は長くは続かなかった。前述のように、 '08 年、小室は詐欺容疑で逮捕される。

「比較するものではありませんが、桂子の病気は、逮捕されたときよりはるかに大きい衝撃でした。思えば、僕は『死』というものを稚拙に考えていた。 '90 年代にミリオンヒットを量産していた頃、僕は生きている実感もなく、死への恐怖も微塵もなかった。それどころか、『自分がいま死んだら伝説になる』とさえ思っていたくらいでした。そんな僕が生きることを真剣に見つめ直すようになったのは桂子との生活です。彼女の病気をきっかけに『生』を強く意識するようになった。桂子は命の恩人です。だからこそ僕は彼女に寄り添っていたいと考えています。

 桂子の手術は成功し、幸いにも肉体的な後遺症は残らなかったのですが、記憶障害を発症しました。これはリハビリ生活を続けるなかでかなり回復しつつあります。ただ、いわゆるマルチタスクは難しい。たとえば、テレビを見ながら会話していても、どちらかに集中してしまう。