「地頭がいいヤツ」の研究 第2部 就活の「地頭テスト」って、どんな問題なの? 第3部 人事部のみなさん、地頭がよくても仕事ができない人はいっぱいいます

同じ数字を下の図のように線でつなぎ、マス目をすべて埋めるパズル。線と線が交差してはいけない(パズル提供/ニコリ)

第3部 人事部のみなさん、
地頭がよくても仕事ができない人はいっぱいいます

彼らは努力の仕方が分からない

 論理的思考力だけでは仕事はできないことは、前項の考察でわかった。

 では人事部の採用担当者はどうやって学生を選別すればいいのか。そこには正解などなく、自身も「経験」を積んで、良い人材を見分けられる反射力を身につけるしかない。

 ここからは、「学歴がないけれど仕事ができる」人たちに、自身の経験を語ってもらうことにしよう。人事部のみなさんにもぜひ耳を傾けてもらいたい、「先達の教え」である。

 まずは叩き上げの星、工業高校卒で世界的建築家となった安藤忠雄氏の話。

「私の事務所でも一流大学出身の若い所員が働いており、厳しい受験競争をくぐり抜けて来ただけあって、皆優秀です。辛抱強さがあるし、レポートなどを書かせると非常に質の高いものを出してくる。

 だが一方で、彼らには、自分なりの自由な発想力や好奇心、物事に対する執着心といったものがどこか希薄にも感じられます。

 思うに、彼らは自由時間のない環境に育ったからではないでしょうか。学校で言うなら、放課後という自由な「余白の時間」に自発的に何をしてきたかで、その人の個性というか、人間性の根幹をなす知性や感性といったものが決まってくると思うんです。

 その余白がないまま、学校が終わるとすぐ塾に行って夜10時まで勉強、家に帰って寝るだけの暮らしでは、生きる力など育まれるわけがない。

 私たちが子供の頃は、放課後に魚釣りなどをして、釣り竿はどういう ものがいいか、餌は何がいいかと、自分で時間の過ごし方を決めた上で、それがより実りあるものになるよう、自分の頭で考えた。相撲だったら、自分より身体 の大きな相手にどんな技が有効か研究する。負けたら悔しいから勝てるまでとことんやったわけです」