「その苦悩と決断」Jリーグ「戦力外通告」の男たち

フライデー プロフィール
根本裕一(31)
茨城県出身。MF。ツエーゲン金沢―未定。正確かつ強烈な左足が武器で、U―23代表では阿部勇樹(31)とともにプレイスキッカーを務めた。ニックネームは〝美白のロベカル〟〔PHOTO〕花井知之

 鹿島アントラーズの育成機関で育ち、トップチームに昇格した年から出場機会を得る。その後、10年で4クラブを渡り歩くが、28歳を迎えた'08年オフに大分トリニータから戦力外通告を受ける。根本を拾ったのは、当時北信越リーグ所属(現JFL所属)のツエーゲン金沢だった。

「チャンスをくれた金沢をJ2に引き上げたい。自分の経験を若手に伝えていきたい。そう思ってプレーしてきました」

 JFLのクラブは慢性的な資金不足で、J1やJ2とは違い、周囲の選手はサッカーとは別に仕事を抱える者がほとんどだ。Jを目指すクラブが、そんなことではいけないと、根本はサッカーのみで食べていけるだけの給料をクラブに要求する。

「サッカー以外で仕事をするとサッカーに集中できなくなってしまうと思った」

 根本の要求を受け入れたクラブ側も、根本の出場機会が少なくなっていた昨季の終了後は、戦力外通告をしてきた。

 根本には武器がある。〝美白のロベカル〟の異名を取り、代表でもプレイスキッカーを務めた左足からの正確無比なキックだ。それは今も錆びついてはいない。

「まだやれるという自信はある。妻も現役を続けてほしいと願ってくれています。現在は、国外でプロとしてやっていく道も模索しています。東南アジアなどは経済的にも治安的にも厳しい国が多く、家族を連れて行くことは難しいかもしれませんが、プレーできる環境があれば行きたい」

 2月4日現在、根本が来シーズンを戦うクラブはまだ決まっていない。根本は、今もプロサッカー選手を続ける道を懸命に探している。

「フライデー」2013年2月22日号より