田原総一朗×濱田純一(東京大学総長)
「18歳を未熟扱いする、そこから変えないといけません」

[左]田原総一朗さん(ジャーナリスト)、[右]濱田純一さん(東京大学総長)

一人ひとりの価値を上げていけばいい

田原: 今マスコミでは、日本の将来に対して危機感ばかり溢れている。先生は日本の将来をどうとらえてらっしゃいますか?

濱田: 僕は決して捨てたものじゃないと思っています。少子高齢化といわれて、どんどん若い人が少なくなってくる、人口も減ってくる、三分の一くらい減るという話です。

田原: おそらく2050年くらいになると、定年を過ぎた働かない人口と働く人口がフィフティ・フィフティになるだろうといわれていますね。

濱田: そうすると、そこで何ができるのか。もうダメだと降参するんじゃなくて、だったら一人ひとりの価値を上げていけばいいわけです。一人ひとりの生産力を上げていけばいい。そのためには本当に今後とも製造中心の国家でいけるのかどうか。もっと金融国家的なところを目指さなければならないかもしれない。いずれにせよ一人ひとりが稼ぐ力を上げていけばいいわけです。

 そのためには教育が必要なんです。教育といっても、知識を覚えるだけではなくて、新しい状況で何を創り出せるか。失敗をしても、失敗をしながら何か次のチャレンジをしていく、そういう人を育てれば、僕は日本の社会というのは十分活力を保てると思っています。

田原: これは先生とは少し畑違いの質問なんですが、あえて伺います。日本の技術力は今でも世界一ですよね。たとえば例は良くないけれども、アメリカが武器輸出三原則を緩めてくれと言ってきて、それを緩めた。要するにアメリカにしてもイギリスにしても、そういう国々は日本の部品がないと兵器が作れないわけですね。だから、日本の技術力は未だに高い。

 あるいは、たとえば半導体でも、インテルというマイクロプロセッサ市場をほぼ独占している企業の製品でも部品の70%はメイドインジャパンだ、と。技術力自体は非常に高い。にも関わらず、スマートフォン、iPhone、iPad、あるいはWindows、GoogleやYahoo!。なんでああいうものは日本から出てこないんでしょうか?

濱田: IT関係、情報関係についてはですね、日本人の想像力や新しいものを作る力の弱さでしょうね。これは、あえて言えば今までの「追いつけ追い越せ」の「追いつけ」的な発想に基づいた知識教育、それが影響しているのかもしれません。

田原: そこからまだ脱却できていない?

濱田: 僕は脱却できていないと思います。おそらく脱却するのに数十年かかるでしょう。

田原: 脱却するための基本は教育でしょう?

濱田: 教育ですね。そのときに、迂回してもいい、寄り道をしてもいい、そういうことをこれから日本の教育にできるかどうかが勝負どころだと思います。・・・(以下略)

メルマガ「現代ビジネスブレイブ」より

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