日経平均指数もあっというまに1万1500円になりましたが、さすがにやや買い疲れが起きているようです。それもそのはずで、3ヵ月ほどの間で30%以上の上昇をしています。
イメージ的に話をすると、20年くらい前までは著名なアスリートだったが今では見る影もないメタボおじさんが、周囲の期待を受けて調子に乗ってホノルルマラソンを走っちゃったような感じです。
久しぶりの全力疾走で、すでに5キロ付近でゲエゲエとやっているようなもの。息も切れ切れで目が回っている。ちょっと疲れています。本当は走れる体ではないけれども円安というドーピングでなんとかここまで走って来ました。しかしドーピングが止まると足が止まります。
さすがに日本株の買い疲れ感が広がっています。株式も生き物で休んだり頑張ったりさぼったりします。今まで期待もされず相手にされていなかったのが安倍政権に変わろうとした瞬間にいきなり期待が高まったわけです。窓際のおっさんが急に注目を浴びて張り切っちゃった感じです。それはもうゲエゲエもしますよ。
しばらく休憩をしたほうが、持続性が増すでしょう。今の株式市場には休憩が必要です。休むも相場といいます。
安倍政権は3本の矢により経済を立て直すことを目標にしています。3本の矢は金融政策・財政政策そして成長政策です。少なくとも現在のところは円安にするということについては劇的な成功をしました。ただこれは貿易収支の悪化や米国景気の回復などファンダメンタルズの変化が裏にあります。
デフレ脱却もそれほど簡単ではなく、インフレにすると当然長期金利が上昇をするので国債の利払い増加という副作用もあり、簡単な問題ではありません。
今後重要なのは成長政策です。金融政策も財政政策も時間稼ぎにしかすぎないわけです。ただし成長政策はなかなかに難しいと思います。
私が注目をしているのは、インターネットにおける大衆薬の販売です。最高裁におけるインターネットの薬の販売の規制について国側の敗訴という判決を受けて国側がどのような対応をするのかはとても重要な問題であると考えています。
というのも、成長戦略の柱は規制緩和が重要で、既得権益側の圧力により競争環境が阻害されているものの中から適切なものを順次市場を開放し、新規参入を促して世の中の新陳代謝を増すことが成長政策にとってとても重要なことであるからです。
規制緩和は多くの分野で必要です。最高裁で明確に敗訴になり国民の利便性という面で大衆薬のネット販売はある意味規制緩和の象徴としてすすめるべきであると私は考えています。