岩崎元郎 第2回 「数度の雪崩の危機をかいくぐった岩崎先生はやっぱり幸運の人です」

島地 勝彦 プロフィール

シマジ いや、おれの一関一高の友達で伊藤ドクターというのがいてね、彼が岩崎先生の「新日本百名山」に挑戦しているんだ。いつか伊藤と飲んだとき、山登りは小幅で歩かないとくたびれると言っていたのを思い出しただけだよ。これはゴルフ場の急斜面でも応用できるんだ。

立木 何だ、つまらない。

岩崎 でもこれは重要なことです。山登りの基本中の基本なのです。うちの生徒にはそれを教えてからまず高尾山くらいを登らせます。そうして基本を実体験で身につけさせ、この冬にはパタゴニアに生徒を連れて行くんです。

シマジ 外国の山も登るんですか!?

岩崎 いやいや。麓を歩くだけです。わたし自身、もうリスキーなことは出来なくなりました。若いときは谷川岳で雪崩に流されたこともありましたけど。

シマジ やっぱり岩崎先生は強運の人なんですね。

岩崎 こんなに山に登ってまだこうしてピンピン生きているんですから、そうかもしれませんね。

立木 そういうシマジも強運じゃないか。直腸癌や心臓バイパスの手術をやったりしても、こうして葉巻を吹かしシングルモルトを飲んでいるんだから、大したもんだよ。

シマジ そうかもね。

岩崎 山ではちょっとした不注意で命を落とす方がよくいます。この間もある男性から手紙がきまして、滑落事故で奥さんを亡くされたという訃報でした。

シマジ その奥さんは先生の教え子だったのですよね。

岩崎 そうです。よくお手紙をいただいた方でした。これはみんなやることなんですが、黒部峡谷を登っていて、景色が美しいからといって写真を撮っているうちに、後ろに下がりすぎて滑落してしまったそうです。

シマジ 怖い話ですね。

岩崎 なかには途中の木の枝に引っかかって、地元の救助隊に助けてもらった女性もいたそうです。

シマジ 凄い話ですね。やっぱり山はナメてはいけませんね。