The Face +制球マスターが明かした「投球術」「ジャパン」 吉見一起(中日ドラゴンズ)無四球、無三振が僕の理想

フライデー プロフィール
「一球一球に意図を持つことが大事と教わりました」と正捕手・谷繁元信への感謝を語る

「むしろ三振すらいらないと思っています。もちろん投手だから、三振を取れば嬉しい時もある。でも、それはマウンド上で一喜一憂しすぎている証拠なので、やはり(三振は)マイナスなんです」

背負えなかった日の丸

 究極のコントロールの先に〝無四球無三振〟完投の理想がある。だが、その境地に達したのは、意外にもわずか2年前のことだ。

「社会人(トヨタ自動車)からプロ入りして以来、ずっと150km超えが目標でした。プロに入って149kmまで伸びた。確かにコントロールはプロの水準よりも上だったかもしれないけど、僕自身には制球へのこだわりは全くありませんでした」

 事実、試合後にスコアラーから配球表を渡されれば、真っ先に目が行くのは球速だった。しかし '10年のシーズン中に右肘を故障し、オフに2度も手術を受けた。結果、求めたのは負担のかからない投球フォームだった。

「速い球を投げる投手は体を捻ったり、グラブを持った手を手前に強く引くことで、力を伝えて投げる。でも、僕の場合は違うんです。マウンドの傾斜を利用して前方に移動する間に、前に出した左手とボールを握った右手の位置を入れ替えるだけ。勝手に右腕が前に進んでいく動きを固めているんです」

 制球力を発揮するには、視覚だけに頼ってはいけないとも言う。曰く「左肩にも目があるように」というイメージだ。

「キャッチャーが構えたミットに、左肩で照準を合わせる感じですね。詰まるところ、コントロールは指先だけで操るわけじゃない。一度、練習で目を瞑って投げたんですが、ちゃんとストライクが入りました。周りのみんなは驚いていましたけどね(笑)」