「ファミコン世代が国を滅ぼす、橋下徹というデマゴーグ」
日本をダメにしたB層の研究【第3回】

 二〇一〇年一月、公明党の年賀会で橋下は「大阪府と大阪市を壊す必要がある」「大阪の形を一回全部解体して、あるべき大阪をつくりあげる」とぶちあげました。

 二〇一一年六月には「大阪都構想」を実現させるためには独裁が必要であり、「大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る」「権力を全部引きはがして新しい権力機構をつくる」と唱えます。

 これは典型的な左翼の発想です。

 徴兵制度の復活や核武装論を熱弁した後で「あれはテレビ番組で世間ウケを狙っただけ」と嘯(うそぶ)き、愛国者のふりをしながら「お国のためになんてケツの穴が痒くなる」と述べ、政治とは「自分の権力欲、名誉欲を達成する手段」であるとタレント時代に語ってきた橋下を、「保守」を名乗る人々が持ち上げるという間抜けな構図は、わが国の知的退廃が生み出したものです。

「教育に民意を反映させる」

「市職員は民意に従って動いてもらう」

 橋下は二言目には「民意」を持ち出し反対意見を退けます。

 これは、ロベスピエールやヒトラーが使ったロジックとまったく同じものです。

 後ほど詳しく述べますが、ルソーの一般意志(公的な人民の意志の総体)を政治の世界に持ち込んだ革命勢力は、人民の名の下に権力を一元化することで、国家を「一回全部解体して」「新しい権力機構」をつくろうとしました。

 そこでは必然的に独裁体制(立法者の支配)がとられる。

 ナチスの法理論を支えたカール・シュミット(一八八八~一九八五年)が、一般意志に基づき、独裁と民主主義を同時に肯定したのはそのためです。

橋下徹というデマゴーグ

 橋下はなぜ短期間に勢力を拡大したのか?

 私は「無構造性」にあると考えています。

 方向性を明確にしないところ、明らかに実現不可能な政策を打ち出すところ、批判されても喚(わめ)いたり恫喝したりしてごまかすところ、矛盾する意見を同時に唱えるところに橋下の強みはある。

 すでに述べたように橋下はアナーキストなので、イデオロギーは飾りにすぎません。