[MLB]
佐野慈紀「松井秀喜だからこそできること」

スポーツコミュニケーションズ

望む表舞台での活躍

 そして、私にはもう一つ、彼に望んでいることがあります。それは、地域貢献のひとつとして地元の独立リーグ球団である石川ミリオンスターズでプレーしてほしいということです。僕は、縁あって2011年からミリオンスターズに関わらせてもらっています。11年は応援隊長として、そして昨年からは取締役を務めています。実は、ミリオンスターズの端保聡球団代表とは松井獲得構想を練っていたのです。

 今回の引退でその可能性もなくなってしまいましたが、僕たちはまだ諦めていません。例えば1日だけミリオンスターズと契約をし、地元の子どもたちの前でプレーしてもらうだけでも、子どもたちは喜んでくれるのではないかと思っています。また、もし日本の古巣が引退試合やセレモニーを行なわないようであれば、ミリオンスターズでやろうということも端保社長との間では話をしています。

 もちろん、石川にだけでなく、日本の子どもたちや野球界のために、これまで以上に表に出てきてほしいなと思います。彼が尊敬してやまない長嶋茂雄氏や王貞治氏を、引退して何十年も経った今もなお日本人が尊敬しているのは、常に表に立って野球界のために働きかけてくれているからこそです。それは誰にでもできるわけではありません。しかし、松井になら十分にできます。日本の野球で育ち、世界で活躍した松井が、その野球で社会貢献をしてくれれば、同じ時代を生きる野球人としてこれ以上嬉しいことはありません。松井には今後、さらなる活躍を期待しています。

佐野慈紀(さの しげき)
1968年4月30日、愛媛県出身。松山商-近大呉工学部を経て90年、ドラフト3位で近鉄に入団。その後、中日-エルマイラ・パイオニアーズ(米独 立)-ロサンジェルス・ドジャース-メキシコシティ(メキシカンリーグ)-エルマイラ・パイオニアーズ-オリックス・ブルーウェーブと、現役13年間で6 球団を渡り歩いた。主にセットアッパーとして活躍、通算353試合に登板、41勝31敗21S、防御率3.80。現在は野球解説者。