『がん保険のカラクリ』1~34pお試しPDFはこちらをご覧ください。
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以上、普段はあまり目にしないデータに基づいて、がんに罹る確率、そしていざ罹ったときの治療費などについて述べてきた。これらを踏まえて、私たちはがんに対してどのように備えればいいだろうか。
まず、言うまでもないが、がんに罹らないよう健康的な生活を心がけることである。例えば、喫煙はがん罹患リスクを大幅に高めることが知られている。保険の心配をする前に、生活習慣を改めたい。
次に、早期発見のための検診受診。この点、前述のアフラックの調査において「がんを経験して、あらかじめ備えたほうがよいと思ったことは何ですか?」という問いに対して、607名のがん経験者は以下のように答えている(複数選択)。
・早期発見のための検診受診 27%
・がんに関する知識 25%
・経済的備え 22%
・気軽に相談できる主治医 15%
経済的備えが不可欠なのは言うまでもないが、それ以上に大切なのは、まず早期発見のために検診を受診することだとわかる。早く見つけることができれば治る確率が高まるし、その分医療費を抑えることができる。
続けて大切なのが、がんに関する正しい知識を身につけること。気軽に相談できる主治医を持つことも同じ意味であるが、病気について正しい知識を身につけ、いざというときに自分がどのようにがんと向かい合うのか、健康なうちからよくよく考えを整理しておくべきである。これらの備えがあって初めて、経済的備えが意味を持ってくる。
そして、いざというときの経済的な備えの手段としては、まずは貯蓄を中核に考えるべきである。これはどのような事象にも対応できる、いわば「自家保険」である。まずは300万円程度の資金をいざというときのための医療費として準備しておきたい。若くて貯金がない人は、お金が準備できるまでのつなぎの手段として保険を位置づけることができる。
以上をきちんと備えることができて初めて、民間保険の出番がやってくる。