本当に使えるがん保険はどれ? 「がん保険の選び方」
がん保険のカラクリ【第3回】 文/岩瀬大輔

 各商品の違いはどういう点にあるか。選び方のポイントも含めて、整理する。

(1) 1回目の診断給付金については、表では1‌0‌0万円で統一されているが、2‌‌0‌‌0万円、3‌‌0‌‌0万円と増やして申し込めるタイプもある。もっとも、この場合は診断給付金に対応する保険料が、2倍、3倍と増えることになり、直接保険料に反映される。

(2) 「上皮内新生物」に関する給付について、各社によって違いがあり、10万円しか支払わない会社と1‌0‌0万円満額支払う会社がある。一般的に上皮内新生物は転移する恐れがないため、切り取れば治癒するものとされている。医学的な意味では「がん」には該当しないため、1‌0‌0万円も必要ないと考えてよいだろう。

(3) 大きな違いは、診断給付金が何回支払われるか、という点にある。1回きりの会社と、がんと診断される限りは2年に1回を限度として支払う会社、5年に1回といった違いがある。がん患者にとって一番ありがたいのは、支払い条件が細かく規定されず自由に使えるまとまった一時金である。したがって、一番いいのは、この診断給付金を何度も受け取ることができるタイプの商品であると考える。

(4) 入院給付金は1日あたり1万円、日数は無制限ということで各社ともおおむね統一されている。

(5) 通院に関する給付金については、違いがある。そもそも支払わない商品があったり、「入院後の通院」と条件を付ける会社があったりする。これ以外にも入院を条件とせず「三大治療(放射線、手術、抗がん剤)のための通院」にまで拡大している会社がある。この点、大きなトレンドとして入院日数が短縮化し、外来(通院)による治療が一般化していることに注意したい【図表14】。したがって、入院給付金だけではなく、外来(通院)や、治療を直接保障するタイプの保険の方が使い勝手がよさそうだ。

(6) 同様に、抗がん剤治療費についても、入院などを条件とせずに給付している商品がある。その分、保険料が高くなるが、入院や通院日数に連動するよりも、直接の治療費に対する保障が手厚いほうがよいと考える。もっとも診断給付金が複数回出るのであれば、必要ないかもしれない。

 以上について、『がん保険を疑え!』(ダイヤモンド社)の著者である後田亨氏は、全体としてがん保険の必要性について慎重な姿勢を見せつつも、一括で大きなお金が入る診断給付金については大きな効用があると述べている。

「そもそも、どうしてがん保険が求められているのかと言うと、『がんには、他の病気よりもいろいろとお金がかかるからだ』と説明されます。であれば、がんに罹った時点で、日常的に準備することが難しい大金、あるいは急に出費すると負担感が大きな額のお金が、がん保険から調達できればいいはずです。何も『入院』『通院』『抗がん剤治療』『在宅療養』その他諸々の『使途別』に、保険会社からお金を受け取る必要はありません。