戸川貴詞×安藤美冬 【第1回】
人気雑誌編集長が語る 「勝算は全然なく、勢いと皮算用だけで新ブランドをスタートしました」

[左]戸川貴詞さん(『NYLON JAPAN』編集長/カエルム代表取締役社長)、[右]安藤美冬さん(spree代表取締役/フリーランス)

僕はずっと、モテ基準でやってきました

安藤: 今日は『安藤美冬流 21世紀の歩き方』第5回のゲストとして、『NYLON JAPAN』編集長の戸川貴詞さんにお越し頂いています。対談のテーマは「ブランド」です。

 戸川さんの、編集者ならではの商品やサービスのブランドとしての見方や、ご自身の個人ブランドをどう捉えていらっしゃるのかなどを、まずは伺いたいと思います。

 また、いろんなプロの方とお仕事をされてきた中で、セルフプロデュースがうまいのはどんな人か、世に出る才能と出ない才能にはどんな違いがあるのか・・・といったことも、戸川さんなりの切り口でお話しして頂ければと考えています。よろしくお願いします。

戸川: よろしくお願いします。

安藤: 実は、戸川さんとは何回かお話ししたことがあるんですよね。初めてお茶をご一緒したときには・・・。

戸川: あのときは長々と話しましたね(笑)。

安藤: 戸川さんはもともと、日之出出版さんで広告営業を担当してから編集に移られたんですよね。そこからさらにいろんなきっかけや偶然があって、雑誌をビジネスにしようと志して起業されたという。その経緯がすごく面白かったので、自己紹介を含めて、まずは会社員時代のお話から伺いたいんですけれども。

戸川: 日之出出版でのことですか?

安藤: ええ。まず、戸川さんがなぜ出版社を志したのかという理由と、日之出出版さんでどんなお仕事をされたかということに興味がありまして。

戸川: 実は、もともとは出版社を目指していたわけじゃないんです。たぶん世の男子はみんなそうだと思うんですが、「何をすればモテるのかな」みたいなことをずっと考えてました。

安藤: モテ基準ですか?

戸川: そう。僕はずっと、モテ基準でやってきました(笑)。学生時代にまで遡れば、サーフィンをやってみたり、バンドを作って音楽をやってみたり。

安藤: ちなみにバンドでは何をされていたんですか? ボーカルとか?

戸川: ギターやベースですね。歌ってはいません。当時、デュラン・デュランというイギリスのバンドが流行っていて、ジョン・テイラーというベーシストがめちゃくちゃカッコよくてモテてたんです。あと、少年サンデーで連載されてた上條淳士さん原作の『TO-Y』というカリスママンガの主人公、藤井冬威も最初はベーシストで。これは、ベースやるしかないってなって(笑)。

 その後、大学に行き始めてすぐに、もう働きたくて仕方がなくなったんですね。大学も、別にどうしても行きたいと思っていたわけじゃないし・・・。高校が割とヤンキー高校だったんです。

安藤: 地元はどちらですか?

戸川: 高校時代は横浜です。生まれは長崎なんですけれども、小学校の終わりから横浜に来て。中学の頃は、ちょうど校内暴力が一番すごかった時代です。新聞沙汰にもなったり。『ビー・バップ・ハイスクール』時代ってあるじゃないですか。まさにあれですよ。別に僕はヤンキーではなかったんですけど。

安藤: つっぱってたとかではなかった?

戸川: そういうのではなかった。でも、通っていた学校はめちゃくちゃでしたね。面白くはあったんですけど、高校では、僕はサーフィンとかバンドとかしてたりしてサボってるいるうちに、科目によっては出席日数が足りなくなったりして。

安藤: 勉強はどうでした?

戸川: 勉強はしていないです。結構してない(笑)。

安藤: 要領良くやっていたんですか?

戸川: 要領は良かったとは思うんですけれども、内申は良くなかった。高校に行って、本当に毎日遊んでいたんです。大学を受験するような高校じゃなくて、卒業生の90%は就職、みたいな感じ。高校3年の夏ぐらいに、みんな就職が決まっちゃうんですよ。大学を受験するやつは数えるくらいしかいなくて。現役で受かったのはたしか2人とかだったような・・・。それももちろん六大学とかいうレベルじゃなくて。

 ただ僕は、就職するというのも何かピンとこなかったんです。でも、それまで全然勉強していないから、友達の就職が決まった夏から半年くらい勉強しても、まともな大学に入れるとは思えない。そこで親に「一浪だけさせて」と頼んだんです。一浪している間も、それまで何もやっていないのをカバーしなきゃいけないから、社会は参考書が一番薄い政治経済を選びました。

安藤: 薄さで選んだんですね。

戸川: その通りです(笑)。で、モテる大学といえばミッション系だろうなと勝手に考えました。あとは、東京都内のイメージのいい場所にある学校がいいなと。

安藤: やっぱりモテで決めようと思ったんですね(笑)。

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