日本の大金持ちシリーズ第15弾 1億5500万円の「マグロ大王」大いに語る すしざんまい社長はこんなに大金持ち

週刊現代 プロフィール

「マグロというのは高ければいいというものじゃなくて、我々としては初セリに出てくる一番いいマグロはぜひともウチが手に入れ、お客さんに喜んでもらいたい。それに、最後まで競り合った『板前寿司』さんは香港資本ですので、最高級のマグロは日本のお客さんの口に入ってほしいじゃないですか。昨年も5600万円を超える値段で落札しましたが、お客さんからは『来年も期待しているから』と言われていましたので、その声にも応えたかった。

 セリに臨む前に予算の上限を決めたりはしません。去年一年、稼がせてもらったので、またそれを還元して。おカネというのは貯めてばかりいたってダメ。経済だって回らないでしょ」

 採算度外視の行為に対し、宣伝効果を考えれば高い買い物ではないという声も上がるが、木村社長は即座に否定した。

「宣伝効果があったかどうかなんて、後からわかることでね。だいたい、我々は以前から初セリでマグロを落札してきたんですよ。それでもほとんど記事になることはなかったし、なっても新聞でほんの数行。昨年だって、セリの前に取材を依頼してこられたマスコミは2社くらいだったんじゃないかな。落札後は取材が殺到しましたが。

 それで今年はセリの前からすでにマスコミの皆さんから取材依頼が次々と来て恐縮していますが、失礼ながら皆さんのほうが過熱しておられるだけですよ。宣伝効果なんて絶対に考えていません」

 ともあれ、「マグロ大王」というニックネームとともに木村社長や「すしざんまい」の注目度が一気に上がったのは紛れもない事実。ここで、木村社長の来歴を簡単に振り返っておこう。

 1952年、千葉県に生まれた木村氏は4歳のときに父を亡くし、兄弟とともに女手一つで育てられた。暮らしはお世辞にも裕福とは言えず、母親は明け方から畑仕事。自宅に戻ってからも、幼い木村氏らを寝かしつけた後、藁で筵を編むような生活だったという。

 後に「365日年中無休、24時間営業」という、寿司店では常識破りの「すしざんまい」をスタートさせる木村氏の商売感覚は、このころから培われたのだろう。家計が苦しいことを幼いながらに肌で感じていた木村氏は、祖母からもらったウサギのつがいを、ただペットとして可愛がるのではなく、原価ゼロの雑草をエサに繁殖させ、それを売り歩くことで家計の足しにした。

総理の自宅に招かれた

 勉強が嫌いなわけではなかったが、中学を卒業しても高校進学は断念せざるを得ず、航空自衛隊に入隊。自衛隊第4術科学校で学び、18歳で大検に合格した。その後、交通事故により、憧れていたパイロットの道を断たれた木村氏は自衛隊を辞め、中央大学法学部の通信制に入学し、司法試験に挑戦。惜しくも合格は適わなかったものの、司法試験への挑戦を続けるためにはさらなる学費が必要となった。そのため、いくつか掛け持ちしたアルバイトのなかに、水産加工業のマルハの子会社があった。