週現スペシャル プロ野球・Jリーグ・プロレス
日本人が愛した助っ人・出稼ぎガイジン選手
「あの人はいま」

週刊現代 プロフィール

「そりゃあ勿論、甲子園だよ。マイナーリーグの球場が満員になることもあったけれど、あれほど熱狂的なファンに支えられるっていう経験はアメリカじゃなかった。私のキャリアで甲子園は特別な場所なんだ」

第2部 シジマール、リネカー、ブッチャーほか
サッカー選手、プロレスラーたちの「帰国後の人生」

「引退後、'02年に日本に戻ってきたとき、永住を決めました」

 千葉県の柏駅から程近い、妻が経営するブラジル料理店「フェイジョン」に現れたシジマール(50歳)は、髪こそ金色に染め上げていたが、「クモ男」と呼ばれ親しまれたスタイルはそのままだった。

 Jリーグが開幕した'93年は、ジーコ、アルシンド、リトバルスキーなどの大物外国人選手が次々に来日した。シジマールも彼らと同様、Jリーグ元年に清水エスパルスに入団。身長183cmとゴールキーパーとしては小柄ながら、広げた長さ193cmという両腕を活かし、731分間無失点という当時のリーグ記録も達成した。

「土地も家も買いましたし、'09年からは柏レイソルのゴールキーパーコーチをさせてもらい、'11年にはこの店も始めた。シジマールの店ということで、柏レイソルのサポーターも来てくれるし、私もたまに顔を出しています」

 レイソルとの契約は昨季で終了し、来季からはヴィッセル神戸との契約が決まっている。

「夢は自分が育てたキーパーが日本代表に選ばれること。いずれは代表監督もやってみたい」

 そんな夫についてホザンジェラ夫人は言う。

「夫は本当に日本が大好きなんです。もしかしたら前世は日本人かも」

 現役時代のシジマールを象徴するエピソードとしてファンの間で語り草になっている「土下座事件」も、いまではいい思い出だと言う。

「'95年の対浦和レッズ戦、あまりの野次に熱くなった私は、試合終了後、浦和サポーター側のゴールにボールを蹴りこんだ。これを浦和サポーターが挑発だと激怒し、スタジアムが大混乱、満座の中で土下座する事態となった。でも、いまでは笑い話。数年前にはレッズのイベントにも呼ばれ、パフォーマンスで土下座をしたら、みんな大喜びしてくれました」

 シジマールと同時期にブラジルから来日し、ヴェルディ川崎などで活躍したビスマルク(43歳)は実業家へと転身を遂げた。

 武器はブラジル代表の名に恥じぬ美しいスルーパスとFK。当時、ゴール後の独特な『お祈りパフォーマンス』は多くのサッカー少年に真似された。

 いまも連絡を取り合う仲であるシジマールが明かす。