浜田宏一「いま日本の未来が見えてきた」

『アメリカは日本経済の復活を知っている』より第4回

〈しかし今もっとも責められるべきは、財務省や財界や政府と言うより日銀であろう。デフレ不況を十数年も放置してきた責任の大半は日銀にあるのだ。リーマン危機以来、アメリカは通貨供給量を三倍に増やすなど米英中韓その他主要国の中央銀行は猛然と紙幣を刷り景気を刺激した。日銀は微増させただけで静観を決めこんでいる。

 ここ三年間で円がドル、ユーロ、ウォンなどに対し三割から四割も高くなったのは主にこのせいだ。今すべきことは、日銀が数十兆円の札を刷り国債を買い、政府がその金で震災復興など公共投資を大々的に行い名目成長率を上げることだ。札が増えるから円安にもなる。工場の海外移転にも歯止めがかかる。ここ十四年間、経済的困窮による自殺者が毎年一万人も出ている。日銀は動かない〉

 経済学の専門家でない藤原氏に分かることが、どうしてエコノミスト、学者、政治家、マスコミには分からないのであろうか? 日銀はこれから何をすべきで、これまで何を間違えたのか。そして、それを学者、エコノミスト、政治家、マスコミは、それをなぜ温存してきたのか。これを詳細に検証することで、日本経済の未来が見えてくるはずだ。

 いや、アメリカをはじめとする世界の経済学者たちには、すでにそれが見えている。日本経済の復活を知っているのだ。

 
◆ 内容紹介
ノーベル経済学賞に最も近い経済学の巨人、研究生活50年の集大成!!
この救国の書は、東京大学での教え子、日本銀行総裁・白川方明に贈る糾弾の 書でもある。20年もの間デフレに苦しむ日本の不況は、ほぼすべてが日銀の金融政策に由来するからだ。白川総裁は、アダム・スミス以来、200年間、経済 学の泰斗たちが営々と築き上げてきた、いわば「水は高いところから低いところに流れる」といった普遍の法則を無視。世界孤高の「日銀流理論」を振りかざ し、円高を招き、マネーの動きを阻害し、株安をつくり、失業、倒産を生み出しているのだ。本書で解説する理論は、著者一人だけが主張するものではない。日 本を別にすればほとんど世界中の経済学者が納得して信じ、アメリカ、そして世界中の中央銀行が実際に実行しているもの。世界から見れば常識となっている 「日本経済の復活」を、著者50年間の研究成果をもとに、わかりやすく徹底解説!
浜田宏一(イェール大学教授・経済学者)
1936年生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学経済学部卒業、イェール大学経済学博士取得。東京大学経済学部教授、イェール大学経済学部教授、内閣府経済社会総合研究所長、中央大学大学院総合政策研究科特任教授(2003年)などを歴任。