「冤罪死刑」著:緒川怜
JAL123便、そして冤罪

冤罪死刑』は、女児誘拐殺人事件で一審、二審とも死刑判決を言い渡された被告の男が無実を訴えている―という設定で物語が展開する。物事すべてを疑ってかかるのが商売の社会部記者が、被告の上告審を担当することになった女性弁護士から依頼されて事件を一から調べ直していく過程で、今まで隠されていた驚くべき事実が明らかになってくる。果たして男は無実なのか。真実とは何なのか。

 著者としては、マイクル・コナリー(そう言えば、彼もLAタイムズの記者だった)の作品のようなプロットの面白さで読ませる、リアリティあるエンターテイメントに仕上げたつもりだ。

(おがわ・さとし 物語作者)

 
◆ 内容紹介
三年前に発生し、犯人逮捕で決着したはずの誘拐殺人事件。だが、その裏側には、あまりにも多くの嘘や裏切り、保身や売名、腐敗や汚職があふれていた。ともに東京拘置所に収監されている死刑確定者と、勾留中の刑事被告人の間にはいかなる接点があったのか。事件を洗い直すべく動き出した通信社記者と女性弁護士は、次々と意外な事実に突き当たる。そして、取り返しのつかない死刑執行の後で、事件の様相は180度転回する。
 
緒川 怜(おがわ・さとし)
1957年東京都生まれ。東京外国語大学卒業。共同通信社記者として働きながら、2008年『霧のソレア』(「滑走路34」改題)で第11回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。他の著書に、『特命捜査』『サンザシの丘』がある。