[サッカー]大仁邦彌 × 二宮清純<前編>「日本サッカーのトップが描く未来図」

~新春スペシャル対談~
スポーツコミュニケーションズ

実現したい女子チームの所有義務化

二宮: 女子やフットサルの選手からは、それぞれのリーグをJリーグの傘下にしてほしいという意見をよく聞きます。
大仁 それは今、まさに改革中です。女子のところでは、各Jクラブに、「女子のチーム、クラブもつくってほしい」と要望しています。女子チームを所有しているのはJ1、J2合わせて7クラブ(仙台、新潟、千葉、浦和、東京V、C大阪、愛媛)。女子サッカー界では中学生年代の選手数が一番落ち込みます。ですから、各Jクラブが女子のトップチームを創設すれば、ジュニアユースのカテゴリーの受け皿も大幅に大きくなることが期待できます。そういう意味でも、各クラブに女子チームの所有を働きかけたいと考えています。

二宮: ジュニアユース世代で女子が落ち込む要因のひとつに、中学校の女子サッカー部が少ないということをよく耳にします。
大仁 そうです。小学校世代では男子と一緒にプレーできますが、中学に上がると、ちょっと男子とは対等にプレーできない。しかし、女子のサッカー部がある中学校は非常に少なく、指導者もいないケースが多いため、サッカーから離れてしまう。そこをなんとかしたいという思いがありました。そこで近年、文部科学省の「運動部活動地域連携再構築」の一環で、1校ではできないけども、2つ、3つ中学校が一緒になってチームをつくり、そこへJFAが指導者を送り込むという制度を一昨年からスタートしました。

二宮: 合同チームということですね。
大仁 そういったかたちが徐々に増えてきています。合同チーム形式が全国的に広がっていき、あとはやはりJクラブが中学生年代の女子チームを持ってくれれば、相当改善していくと思います。

二宮: 最終的には各Jクラブが女子チームを持つことも視野に入れていると?
大仁 ぜひ、やってもらいたいと思っていますし、そういう働きかけもJリーグにはしています。そのなかで、クラブライセンス制度で「女子のチームを持つこと」という条件が義務づけられるようにできればいいですね。

二宮: 期限を区切るのは難しいと思いますが、なでしこリーグをJリーグに組み入れるのはだいたいいつ頃とお考えですか?
大仁 4、5年はかかるだろうと見ています。

二宮: 大仁会長の在任中くらいには目途をつけたいと?
大仁 いやいや、そんなにやっているかどうかわかりませんけど(笑)。だいぶ、女子チームを持つJクラブが増えていますからね。できれば、この1、2年のうちにJ1のクラブぐらいには女子チームを持っていただけるとありがたいですね。

二宮: フットサルのクラブもJリーグの傘下に置くというお考えは?
大仁 そこがちょっとまだ進んでいないんです。今、我々が実施しているのは、JリーガーのFリーグクラブへの移籍自由化です。これは当該のJクラブとFリーグのクラブの両者が合意すれば、移籍手続きなしにすぐFリーグの試合に出られるという制度です。やはり、Jの若い選手はなかなか自分のチームで試合に出られない。だったらJがシーズンオフになった時に、Fリーグでプレーできないかと考えました。Jの選手にとってもメリットがあり、Fリーグ側にもひょっとしたらサッカーよりもフットサルのほうに適正があって、優れた選手になる可能性もあります。現在、Jクラブでフットサルチームを所有しているのは湘南ベルマーレのみ。将来的には各Jクラブにフットサルチームを所有してもらい、2つの競技の選手が交流できればいいなと考えています。