「死ぬのが怖い」人に贈る七つの対処法

「幸福学」の前野隆司先生が教えます
前野 隆司 プロフィール

では、結局、「死ぬのが怖い」とはどういうことだったのか。それは本書を読んでのお楽しみだが、一言でいうと、「そう思うように人はできている」ということである。それだけ。

あらゆる他の事柄と一緒だ。物事には本質的な意味はない。何もない。答えはない。あるとしたら単なる動物という機械論。あるいは、ニヒリズム。

しかしそれは悲観ではない。悲観しているうちはニヒリズムではない。楽観も悲観も超越したところにニヒリズムはある。

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同様に、生も死もない。これも悲観ではない。生も死も超越したところに、答えがある。答えは最初からあったといってもいいし、どこにもないといってもいい。人はそうわかったうえで生きるべきなのではないか。いや、そうするしかないのではないか。人生とは、そういうことなのではないか。

そういうことを真面目に伝えたい、僕流の綿密な思想書です。あなたの人生のために。

死は、人生最大の問題。いちどじっくり考えておくと、きっといいことありますよ。 

(まえの・たかし 慶應義塾大学大学院教授)

人はなぜ「死ぬのが怖い」のか
 
◆ 内容紹介
「死ぬのが怖い」とはそもそも心理学的・進化論的・脳科学的・哲学的にどういうことなのか? 「死ぬのが怖い」状態は無宗教者でも論理的に超越できるのか? そもそも「死」は何のためにあるのか? ――こういった問いに対してシステマティックに答えを出す類書は存在しません。無宗教者の多い日本人にとって、そのような本は真に求められているはずです。
この本ではまず、「死ぬのが怖い」人に手を取ってもらうことを起爆剤に、最終的には多くの人に「死とは何か」を考えてもらい、逆に生き生きとした「生」を再発見してもらうことを目指します。本書の目標は「現代日本人型の新しい死生観」を身に付けることになります。
 
前野 隆司(まえの・たかし)
山口県生まれ、広島県育ち。東京工業大学修士課程修了。キヤノン(株)、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、ハーバード大学客員教授等を経て、現在慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。博士(工学)。著書に、『脳はなぜ「心」を作ったのか』『錯覚する脳』(筑摩書房)、『脳の中の「私」はなぜ見つからないのか』(技術評論社)、『思考脳力の作り方』(角川oneテーマ21)など多数。主宰するヒューマンラボでは、脳と心から、ロボットインタラクション、人間・社会システムデザイン、教育学、幸福学まで、人類の平和と幸福のため、多様な研究・教育活動を精力的に行っている。