[MLB]
杉浦大介「イチロー残留もヤンキース危うし?」

スポーツコミュニケーションズ

本塁打、得点の減少を補えるか

 もっとも、そうは言っても、散々言われている通り、今年のチームにはこれまでほどの爆発力はないというのはおそらく真実だろう。

「本拠地の形状に適したチームを作るのは当然のこと。打者有利のヤンキースタジアムをホームとするヤンキースの場合、ホームラン打線がチームの根幹だった。しかし、今オフにスウィッシャー、マーティン、ラウル・イバニェス、エリック・チャベス、アンドリュー・ジョーンズが退団し、ロドリゲスがあてにならないことを考えれば、昨季から合計112本塁打が消えることになる」
「ニューヨークポスト」紙のジョエル・シャーマン記者のそんな分析も無視できない。

 特に外野の3つのポジションのうちの2つでは、イチロー、ガードナーというスピードタイプがレギュラークラスで起用されることが濃厚なのだ。昨季のヤンキースは「本塁打に頼り過ぎ」と言われ続け、プレーオフではその懸念が的中した感もあった。今オフのチームづくりは恐らく去年の弱点に対して出した答えでもあり、より多彩な攻撃が可能な打線はプレーオフのような舞台で効果を発揮するかもしれない。

 ただ……シーズン中はどうだろう? 昨季まではヤンキースのシーズン中の試合を観ていると、少々大ざっぱに言うと「誰かがどこかでホームランを打ってくれるだろう」という安心感があった。しかし今季は昨季の245本塁打(メジャー1位)から本数は激減が確実で、得点数も804得点(同2位)から大きく減る可能性がある。そんな中で、イチロー、ガードナー、エドゥアルド・ヌネス、グランダーソンなど走れる選手たちをうまく活かし、必要な得点を稼げるかどうか。

史上最高のクローザーと呼ばれたリベラの復活もポイントになる。

 高齢ゆえに夏場以降のスタミナに疑問が残るだけに、開幕からそれなりのペースで勝ち進んでおくに越したことはない。大きく出遅れた場合、一気に追い上げるだけの爆発力があるかは微妙である。開幕ダッシュとまでいかないまでも、序盤から好位置に付けることはこれまで以上に重要になりそうだ。

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