[MLB]
杉浦大介「イチロー残留もヤンキース危うし?」

スポーツコミュニケーションズ

ライバルも上積みなく、優勝候補は変わらず?

 筆者個人の意見を言っておくと、現時点で予想をしなければならないなら、それでもヤンキースを地区優勝候補筆頭に挙げるつもりではいる。CCサバシア、黒田、フィル・ヒューズ、ペティート、イバン・ノバと続く先発ローテーションは強力。シーズン中に右肩故障からの復帰が予想されるマイケル・ピネイダ、昨季に実力を示したデビッド・フェルプスも何らかの形で役に立ちそう。トータルで見て、先発投手陣は評判の良いレイズ、ブルージェイズと比べても勝るとも劣らない。

 打線を見ても、1年後に晴れてFAとなるロビンソン・カノー、カーティス・グランダーソンらの爆発が期待できる。もちろん高齢化は懸念材料ではあるが、そう言われるのは今季が初めてではないし、ジーター、テシェイラ、イチローらももう1年くらいはハイレベルでやれるのではないか。そして、捕手を含め、シーズン中の補強だって不可能ではないだろう。

「高齢化した元オールスターが敷き詰められたヤンキース打線が万全ではないのは確かだ。しかし、同地区内のライバルたちが大きく向上したように見えないのもまた事実である」
「ニューヨーク・デイリーニューズ」紙のビル・マッデン記者のそんな記述にも同意したい。迷走が続くレッドソックス、打線が依然として非力なレイズにもヤンキース同様、大きな上積みは見られない。

 1点差ゲームで29勝9敗、延長戦で16勝2敗といったデータが示す通り、昨季はややできすぎの感があったオリオールズが神懸かり的な強さを保てるかにも疑問符がつく。ホゼ・レイエス、ジョシュ・ジョンソン、R.A.ディッキーなどを獲得する大補強を敢行したブルージェイズにしても、もともと基礎の物足りなさが指摘されることが多いチームだけに、昨季、大補強を敢行しながら地区最下位に沈んだマーリンズのように崩壊する可能性は否定できまい。

エドウィン・エンカルナシオンらの好選手を擁するブルージェイズを地区優勝候補筆頭に挙げる声もある。

 このような状態の地区内で、ほとんど押し出されるような形で筆者が本命視しているのは、やはりヤンキースとレイズ。ヤンキースは“給料総額200億円のアンダードッグ”などと言われながら、結局は97勝を挙げて地区優勝を飾った2011年の例もある。勝ち方を知ったチームはシーズンをまとめる術に長けているもので、今季も同じような道筋をたどってもまったく驚きはしない。

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