辻野晃一郎「日本は右傾化していく」は本当か

議論が盛り上がるのは、あるべき姿

 ところで、選挙があった12月16日(日)の晩、NHK BS1の「衆院選2012 討論 日本の選択 世界はこう見る」という生番組に私は出演しました。そのときに、「日本の右傾化」ということがテーマの一つとなりました。

 実際、国内でも尖閣問題などに関して過激な発言が増えていますし、「ネトウヨ」というような2ちゃん系のネット用語も流行しています。また、海外からも、日本の右傾化を憂える論調があります。しかし、私は軽々に右傾化という言葉を使うべきではない、という意見です。

 ナチスドイツや旧日本軍部など、国が乱れると右傾が始まる、というのは歴史の常です。しかし、現在の状況は、民主党があまりにも無能で外交面でも大きく後退し、特に沖縄基地問題を巡る鳩山さんの迷走や、対米関連の数々の失言で日米関係が大きく傷ついてしまい、中国やロシアや韓国に付け入る隙を与えてしまった、ということがまず背景にあるのだと思います。

 そのために、尖閣問題や北方領土問題、竹島問題が一気に再燃し、それを契機に、国民の国防に対する危機意識が高まった、ということではないでしょうか。そういう意味では、右傾化を憂える以前に、平和ボケしているわが国の国防に対する意識や領土保全に対する意識がようやく目覚めたに過ぎない、というレベルの話だと感じています。

 本来、国防や領土の保全は国のアイデンティティを考える第一歩ですから、国民の意識が高まって議論が盛り上がるのはあるべき姿です。ですから、これを契機に憲法問題や日米安保、集団的自衛権等々、国の安全に関する方向性に国民の多くが関心を持ち、積極的に議論に加わっていく、ということは好ましいことであると言えます。

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