[ボクシング]
杉浦大介「壮絶KO後に再び浮上した禁止薬物問題」

スポーツコミュニケーションズ

ニューヨーク・タイムズでも話題に

 しかし……39歳にしてその身体が破格なまでに大きくなったことに関し、試合前から疑問の声が挙がっていたのもまた事実だった。試合が始まってからも、最後のKOパンチはともかく、豪腕でなぎ倒すように奪った第3ラウンドのダウンは、マルケスがこれまで見せたこともない類いのものだった。

多くの大手媒体が試合後に沸き上がった疑惑を伝えている(写真はニューヨーク・デイリーニューズ紙)。

 アメリカ国内でも、試合後に多くのメディアがこの疑惑を取り上げている。タブロイド紙だけでなく、老舗の「ニューヨーク・タイムズ」までもが“KO決着にも関わらず、多くの疑問点を残した”というタイトルの記事を掲載したのも象徴的だった。

<マルケスはボクサーというよりボディビルダーのような身体でリングに上がった。元ステロイドの売人で、バルコ事件で証言した過去があるアンヘル・ギレルモ・ヘレディアを陣営に迎えてトレーニングを重ねてきたことも論議の対象になった。そして、39歳にして、サイズと体格が大きく変わっていることを無視するのは難しい>

 これらの指摘を正当と考えるかはともかく、噂話の類いは取り上げない「ニューヨーク・タイムズ」がこのような記事を載せたことは、疑惑が単なる“酒場トーク”だとは考えられていないことを指し示している。

 マルケスと同じメキシコ出身のエリック・モラレス(元4階級制覇王者)が試合直後に「メキシコ薬局の勝利だ」などとツイートし、すぐに削除した件も取沙汰された。興行後の周囲の反応を見る限り、マルケス本人は薬物使用を完全否定しているにも関わらず、この一戦を巡る騒ぎはしばらく消えそうにない。