大反響!日本の大金持ちが語る「他人には言えない大金持ちの相続」

週刊現代 プロフィール

「これで私蔵品の相続はもう無理だ、となったんです。家の土地を隣の同志社大学に売り払おうという話も出ましたが、冷泉家が守ってきた文化財が散逸することはなんとしても避けたかった。結局は財団を設立し、私蔵品などを移管することにしました。

 戦後、相続税を払えないために多くの文化財が海外に売り払われていきました。冷泉家でも税務署の職員が土足で上がってきて、『税金が払えないなら、家を売れ』と言われたことがあると聞きます。日本社会はもう少し、文化への理解があってもいいと思うのですが」

 

海外移住した資産20億円の男

 相続税の苦しみからいかに解放されるか。いつの時代も金持ちはこの難題に頭を悩ませてきた。

 かつては「架空名義を作る」「金の延べ棒にして隠す」など脱法的に相続税逃れをしようとする者も多くいたが、国税当局の取り締まりが厳しくなり、こうした脱法行為は急激に数を減らしている。

 代わりに最近一般化してきたのが、合法的な節税対策である。特に起業で財を成した新・富裕層と呼ばれる人たちの間で流行っている「逃税」テクニックが、海外移住である。

「大阪在住のAさんはお父様が一代で築き上げた財産が100億円以上で、フェラーリ、ポルシェなど超高級外車をいくつも保有する超富裕層でした。単純計算すれば相続税は50億円ほどかかってしまうため、ご自身で相続対策をかなり勉強されていました。

『相続税は一切払うつもりはない』と言うこの方が節税対策として考えたのが、親子で海外に移住するというものです。現在の法律では財産を渡す側ともらう側が両方とも5年を超えて日本を離れていれば、国内財産以外は贈与税の課税対象にならないからです」(相続税を専門とする税理士法人チェスター代表社員の福留正明氏)

 具体的にはまず日本国内に持つ資産をシンガポールなど贈与税や相続税がかからない国に移転する。そして、「親子」で実際にその国に5年を超えて居住する。そして5年を過ぎた段階で親から子へ贈与を行えば、「合法的」かつ「無税」で財産を相続できるのだ。

 最近では、上場企業の創業者の間でも、海外に資産を移して〝節税〟する動きが見られるという。

 たとえばある上場会社のオーナー会長Bさんは、一族で保有していた自社株(時価約1000億円)を国内の資産管理会社に譲渡、さらにその資産管理会社の全持ち分を香港の資産管理会社に移転させた。

 本人に節税の意図があるかどうかは別にして、こうすることで個人資産を海外資産にできるので、あとはオーナー家族が「5年間海外在住」の条件をクリアしさえすれば、贈与・相続に際して課税されずに済むといえる。