第16回 勝新太郎(その一)
破天荒な俳優――。大変な浪費家だった、六代目尾上菊五郎に真っ先に惹かれる

福田 和也

「おのれ、まだそこにおるんかい、しゃあない、載せたるから、はよ、跳ばんかい」

「すんません」

 謝りながら、勝は、トラックの端に腰をおろした。砂塵を巻き上げ、トラックは撮影所から遠ざかっていく。

 なんとか、しないと、な。えらく、差がついたもんだ・・・・・・。

『週刊現代』2013年1月5・12日号より