業界志望者が驚愕する「滑舌を良くする技術」を私はこうして体得した

「魅せる声」をつくる三大新理論
篠原 さなえ プロフィール

 古い教本を引っ張り出し、ありとあらゆる書籍に当たり、先輩後輩に聞いてみても、どうも実効性が薄い。

 そこで、二年目からは完全な個人指導のレッスンに切り替えてみた。団体レッスンではどうしても一人一人を見きれないので、その人ごとの問題点を見すごしてしまうと感じたからだ。

 これが当たった。呼吸法、滑舌、読みのセンス……一人一人に向き合うと、それぞれが、さまざまな問題を抱えていることがわかり、個々の事情に応じた解決方法が閃いてくるのだ。

 こうした経験の集積によって私がつくり上げた三大新理論が、おなかから力強い声を出すために必要な「笑うツボ」という概念であり、喉声、鼻声を防ぎ、滑舌もよくする「舌の反り」という概念であり、滑舌が悪くなる原因の大半を占めながら、これまで誰も気づいていなかった「前位舌」という考え方である。

 声優養成の世界では、あまりにも急激に志望者が増えたためか、全日制の専門学校で二年間学んでも、発声も滑舌もまったくできていない人が大量に卒業してくる。実際に、そんな人たちに私の理論を教えると、その効果のすごさに「カルチャーショックです」と驚かれることがたびたびある。

 海外の多くの学校と違って日本の義務教育では、母国語の滑舌方法を教えていない。もしこの理論が小学校の授業に取り入れられれば、滑舌どころか、近年、下顎が出がちな子どもたちの顎のかたちまで変わるのではないか。最近はそんなことすら考えている。

 あなたの「さ」の口の開け方、本当に正しいですか? 答えは私の本、『「魅せる声」のつくり方』(ブルーバックス)でご覧ください。

(しのはら・さなえ ナレーター)

 
◆ 内容紹介
「声」の常識をぶちこわす! 呼吸、発声、滑舌の新理論から母音・子音のつくり方、無声化、鼻濁音、アクセントまでわかる画期的教本
 
篠原さなえ(しのはら・さなえ)
東京都生まれ。駒澤大学短期大学国文科卒業。東京FM(現FM TOKYO)のDJとしてデビュー後、料理番組の司会、レポーター、アニメの声優など幅広い芸能活動を行う。スポーツ中継を得意とし、高校野球・大学野球・駅伝などで女性の実況アナウンサーの先駆けとなる一方、取材記事執筆、野球番組の制作などでもスポーツに携わる。現在はバラエティ番組や情報番組・CMのナレーション、銀行ATMの機械の音声など、さまざまな「声」の仕事をする傍ら、「声のプロ」をめざす新人への個人指導も行い、誰もが普通にしゃべれる日本語の、誰も知らない謎に挑み続けている。