『中国共産党の経済政策』著:柴田聡
様変わりの中国経済

 しかし、中国との経済関係がどれだけ深くなっているのか、実感としてよくわからないという方も多いだろう。そこで、どれだけの日本人が中国で活動しているかを示す数字として、中国国内の在留邦人数、日本人学校、在外公館の現状をご紹介したい。

 まず、企業の駐在員や留学生など、中国に長期滞在(三ヵ月以上)、または永住する日本人は約一四万人(一一年一〇月)に達している。アメリカの約三九・八万人に次ぎ、世界で二番目に在留邦人が多い国だ。上海には約五・六万人(都市別第二位)、北京には約一万人(同一七位)の日本人が暮らしている。

 加えて、中国には約二・二万社の日本企業が進出しており、日本からの出張者を含めた瞬間風速では、上海には約一〇万人、北京には約三万人の日本人がいると言われている。

 日本の中規模都市並みの人口に匹敵するため、これら大都市部では日本人相手の商売も十分に成り立っており、手打ち蕎麦、お好み焼き、関西風串揚げの店まである。中国駐在の日本人目当ての起業も増えており、競争は激しさを増す一方だ。

 次に、世界最大の日本人学校がある上海の生徒数は、五年前と比べて約一・三倍に増加し、とうとう三〇〇〇人の大台を超えた。最近では、海外日本人学校で初めての高等部も設置され、子供が進学期を迎えても安心な教育環境も整備された。

 上海以外にも、北京、天津、青島、蘇州、杭州、大連、広州、深圳、香港の各都市にも日本人学校が置かれており、このネットワークを見るだけでも、中国各地で日本人が生活していることがよくわかる。

 中国の外交政策上の重要性が高まったことに伴い、北京の日本大使館の日本人館員数は一一〇名を超えており、日本の在外公館の中では、米国のワシントンDCに次いで世界第二位の規模となっている。在米国大使館との人数差も既に一〇名程度にまで縮小しており、いずれは世界最大規模となる可能性もある。

 特に三〇名を超える館員を擁する経済部には、財務省、経済産業省、農林水産省をはじめ、全ての中央省庁からアタッシェ(専門外交官)が派遣されている。法曹出身者や食品安全の専門家も配置されており、このことは、日中関係において、経済分野の位置付けがとりわけ大きいことを示していると言えよう。ちなみに、米国は政府関係者を北京だけで五〇〇人以上、中国全土では一〇〇〇人以上駐在させており、将来的には三〇〇〇人規模を目指すと言われている。

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