死ぬ瞬間はこんな感じです。死ぬのはこんなに怖い

医者は本当のことは言いません
週刊現代 プロフィール

 もちろん、死に直面したとき、人は誰しも臨死体験をするわけではない。

 前出の玄侑氏は自身の不思議な体験を語る。

「死とは『私』がほどけていく過程なんです。暑いのも、苦しいのも、痛いのも『私』であり、その『私』がどんどん変性しながらほどけていく。

 私は中学3年のとき、日本脳炎にかかって意識不明に陥ったんです。ところが、担当の看護士さんによると、昏睡状態のはずの私はベッドの上でちゃんと目を開け、身体を動かしていたという。いわば、私の身体がコンピューターだとすれば、ユーザーだけが急に替わってしまったような不思議なことが自分の身体に起きていた。この体験から人間が死ぬということは私が私だと思っている存在が〝無〟になることだと思いました。

 死ぬ数時間前まで『痛い、痛い』と言う人はいるでしょうが、いわゆる死、その瞬間に痛みはないようです。私の知り合いに5000人以上の方を看取ってきた医者がいますが、彼によると泣き叫びながら逝った方は一人もいないそうです」

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 前出の平野氏も同様の意見である。

「ご臨終を迎える患者さんは何日か前から昏睡状態に入っていくので、自分が死ぬことさえわからないのではないかと思います」

 問題は、その瞬間が来るまでの月日をどう過ごすかにある。明晰な意識を保ったまま、死が間近に迫ってくるのを受け入れるのは大変な精神的な苦痛を伴う。

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