「ウェブでの文章、こうすればもっと伝わります」

『ウェブでの<伝わる>文章の書き方』著者・岡本真インタビュー

――本には、「変更のお知らせなら、何が変わったのか、前後関係を最初に書こう」ともありますね。

岡本 変更のお知らせで、意外に意識されにくい大事な点は、「きょうとあしたで何がどう変わるのか」という前後関係を明確にしたほうが、利用者にはわかりやすいということです。

「こういうサービスが始まりました/変わりました/新しくこういう機能が加わりました/商品の値段や配送料金などが変わりました」など、システムやルールの変更のお知らせを書く機会のある方は多いと思います。

 そんなとき、伝える側は、つい、変更後のこれからのことばかりを書いてしまいがちなんです。でも、読み手である利用者は、たいてい「前はどうだったっけ」と前のことは、はっきり覚えていないものです。だから、変更前、変更後で何がどう変わるかという前後関係をきちんと伝えたほうが、情報の信頼感が増すのです。

 そういうふうに論理的に構成されているかどうかが、ウェブの場合、紙の場合よりも、さらに読みやすさや印象を左右するのです。

――本の中で「ウェブのページはリンクでつながっている」ということを、強調されていますよね。これはウェブサイトの運営に直接関わっているわけではない読者には、あまり関係ない気もしますが……。

岡本 そうですね。でも、私は、ウェブと、新聞や雑誌や本など紙の媒体とのいちばん大きな違いは、この「リンクの感覚」だと思うんです。

「本や雑誌の場合は、ページを順番にぱらぱらめくっていくけれども、ウェブはリンクで別のページと結びついていて、リンク先に飛ぶかたちで読まれていく」ということです。

 ウェブは「この先の詳しい情報はリンク先で見てください」というふうに構成されています。そのために、リンク先に飛んでもらう、つまりクリックしてもらうことが大事で、どのように「リンク元となる見出し」をつけるかが重要になってきます。

 みなさんが、見出しをクリックするときのことを思い出していただきたいのですが、この見出しは、まず簡潔で読みやすく、ある程度のことがその見出しだけでわかって、さらに「この先をもう少し知りたいな」と思わせるように書くのがコツです。

 そこで、どこまでの情報をリンク元のページに置いて、どこからをリンク先のページに置くかということも、大切になってきます。

 サイトの運営には別に関わっていなくても、こういう「リンク感覚」がわかってくると、書く文章の読みやすさも違ってくるので、役に立ちますよ。

「いつ」はなぜ大切か

――それから、本の中で印象的なのは「いつ」の大切さが強調されているところです。

岡本 たとえば「Yahoo!オークション」のようなサービスで、「出品無料の期間をもうけます」というお知らせを書くとしますよね。そのさいに、「出品無料になります」とあるよりも、「何月何日から出品が無料になります」というほうが読まれるのです。

 というのは、4W1Hのなかでも、私たちは「いつ」ということを基点に、自分に関係ある情報かどうか、一瞬で情報の取捨選択をしているからです。

「いつ」の情報があれば、たとえばイベント情報なら、「あっ、その日は予定が入っているから関係ないや」とか、見たとたんに判断することができます。

 その意味で、「いつ」の次に、「どこ」の情報も大切です。