「ウェブでの文章、こうすればもっと伝わります」

『ウェブでの<伝わる>文章の書き方』著者・岡本真インタビュー

 最初のころ担当した仕事で、「Yahoo!カテゴリ」という、利用者が便利なようにサービスを1件ずつ登録した、いわば巨大なリンク集の編集をしていたときのことです。当時は、ウェブではまだ、漢字とかなの書き分けや、用語、送り仮名の統一などのルールがかえりみられていませんでした。

 そこで、通信社や新聞社が発行している、表記のルールブックというか「用語集」をスタッフに配って、表記を統一するようにしました。つまり、紙の編集での基本ルールを、ウェブに持ち込んだんですね。

 ただ、やっていくうちに「ウェブに紙の編集ルールをそのまま持ち込めばいいわけではない」と思うようになりました。

 たとえば、細かいことで言うと、ふだんみなさんはあまり意識されないと思いますが、ウェブでは、紙に印刷された本や雑誌よりも行と行の間がつまっています。そのために視線が次の行にずれていってしまいやすく、読みにくいことが多いんです。

 そこで、1文をどのくらいの長さにするか、ということが大切になってきます。ひとつの文が3行以上にわたらないように、シャープに切ってつなげていく、改行を増やす、そして、いまは普通ですが、段落と段落の間を1行あけて、意味のかたまりをより明確にすると同時に見やすくする、という工夫を、その頃からはじめました。

要点を先に、前後関係も必ず書く

――ウェブでの読みやすさは、まず、見た目からということですね。

岡本 そうですね。それから、紙の媒体に比べると、同じ文章量でも、ウェブの場合は、文字が並んでいると真っ黒に見えてしまうんですよね。

 ウェブに載せる文章を書くとき、どうしても内容のほうにまず意識がいってしまいますが、それがサイトに掲載されたとき、画面の中でどう見えるか、余白はどうか、というところまで考えると、ぐっと読みやすくなります。

――「目に入る」ということで、文章の内容について言うと、「要点が先に目に入るように」ということも含まれますね。

岡本 ウェブ上にある情報量は新聞・テレビなど従来のメディアに比べて圧倒的に多い。だから、その中で「読み手の負担にならない」ように「ぱっと見て意味をとってもらえること」が大事になってくるのです。

 伝えたいことをまず先に言って、そのあとで、なぜそれが伝わってほしいのかという理由などを書く。これは、試行錯誤しながら自分が「Yahoo!知恵袋」のサービス変更など、利用者へのお知らせを書いていて、感じたことです。