2013年、ますます必要になる「ソーシャルメディア・リテラシー教育&研修」

 2012年も終わりに近づき、今後の政治を占う総選挙も今週末に控えています。改めて一年を振り返った際、今年の特徴といえるのは、日常生活でますます存在感を増すソーシャルメディアの影響力です。

前回の記事でも取り上げた通り、今回の選挙活動ではソーシャルメディアの活用が公職選挙法の規定で禁止されていました。しかし、これだけ普及しているコミュニケーション・ツールを利用できないことに違和感を覚えている人は多いのではないでしょうか。近い将来の解禁はもはや避けられないのではないか、と感じている人も多いと思います。

 さて、今回取り上げるテーマは、「ソーシャルメディア・リテラシーの教育・研修」の必要性についてです。来年以降、選挙活動に限らず、市民生活、行政、ビジネス、教育分野など、あらゆる場面において、ソーシャルメディアが日々のコミュニケーション・インフラとして存在感を増していくことが予想されます。

 ただ、その際気になるのが、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアツールを活用して積極的に情報発信したり、対話を試みたりしようとする政治家、行政、ビジネス、マスコミ、個人が、はたしてどこまでこの便利な道具を使いこなせるか、という点です。学習の機会が急速に求められていると強く感じます。

非常に限られたソーシャルメディアの学習機会

 ソーシャルメディア・リテラシー(読み書きの能力、識字能力、教養があること)をどのように身につけることができるか、と考えた際、いったい私たちの周囲にはどんな選択肢があるでしょうか?

 まず、「書店で専門の書籍を購入する」「インターネットで検索する」などがてっとり早い方法として考えられます。こうしたことを苦もなく行う若い世代の方、またインターネットに習熟している人であれば、ある程度は問題なく、新しい技術やトレンドにキャッチアップすることができると思います。

 ただ、中高年の方、普段そこまでインターネットを活用しない方、あるいは、職場ではセキュリティ上の理由でインターネットへのアクセスが制限されている方などにとって、独学で学ぶことは非常に難しいと思います。猛烈な勢いで進化し変化するテクノロジーのトレンドに追いつくこと自体が困難です。そこで、ソーシャルメディアの概念や基本的な設定の方法などから、体系だった知識を体感しながら学ぶ機会が必要になります。

 「企業などの研修で学ぶ」という方法はいかがでしょうか? 一昔前であれば、ウィンドウズ95発売直後のパソコンブームの頃のように、業務の一環としてワード、エクセル、パワーポイントなどのビジネス・アプリケーションの利用方法を会社の研修で受けた経験がある人もいると思います。「パソコン教室」も生まれ、そうした外部セミナーに参加したことがある方も多いのではないでしょうか。

 ただ問題は、今日すでに爆発的に利用が広がり、海外ではビジネスとしての活用が注目されているソーシャルメディアツールが、かつてのビジネスソフトウェアと同じような「地位」を企業の中で与えられていない点です。企業活動に「必須」のスキルとして全社員に研修をさせることが適わないのが現実で、例外的に一部のマーケティング・広報の部門向けの研修や、炎上を予防するための「リスク」に関するセミナーなどが中心に行われているように感じます。

 個人向けの有料の「ソーシャルメディア活用セミナー」なども、都市部を中心に少しずつ生まれてきており、各地域でも有志による「フェイスブック勉強会」なども存在します。しかし、社会全体で見た場合、十分に学習の機会があるというレベルには至っていないように思います。

 生涯教育機関である「朝日カルチャーセンター」や「よみうりカルチャー」に問い合わせたものの、ソーシャルメディアに関する講座はほとんどないと言っていい状態でした(よみうりカルチャーではフェイスブック入門講座が2つ存在しました)。

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