ユニクロ柳井正登場!日本人よもっと必死でカネを稼ごう 『フォーブス』誌が認定した日本一の金持ち

週刊現代 プロフィール

 日本の現状を例えるのに、私は「茹でガエル」という比喩をよく使うんです。どういうことかというと、熱湯に跳びこんだら、カエルは熱くてすぐに逃げ出すでしょう。でも、泳いでいた水が段々と熱くなって、気づかぬうちに熱湯になったら、カエルはいつの間にか茹で上がってしまう。日本の社会、とくに経済はこの「茹でガエル」の喩えと同じように徐々に悪化していき、息絶えてしまうかもしれません。

 日本経済を良くするためにはどうすればいいのか。まず、あらためて「稼ぐ」ことの大切さについて、総理大臣から新入社員まで、すべての人が真剣に考えるべきです。国でも企業でも、経営が悪化したら、収入を増やして、支出を減らそうとするのが当たり前でしょう。いまは、稼いでなくて、みんなが遣うばかり。遣うばかりだと国は潰れますよね。経済破綻を起こしたギリシャと何も変わらない。それなのに、未だに日本は大丈夫だと言っている経済の専門家がいる。信じられません。

 人材が「サラリーマン化」したことが問題の根底にあります。自分で頑張って、稼げるようになってこそ一人前なのに、「サラリーマン」を「身分」と勘違いして、安穏としてしまう。どこそこの会社に入ったら、その瞬間に一人前だなんてありえない考えをしてしまう。高校時代に勉強しない、大学時代に勉強しない、そういう人が会社に入って、社会で通用するはずがない。そういう人たちは半人前です。だから社会人になってからも勉強をして、稼ぐ力を身につけなければいけない。しかし今は、稼ぐよりも遣うことが好きな人の声のほうが大きい。本当におかしな国です。

 サラリーマンがそれほど理想的な身分でないことは、衰退する日本企業を見れば明らかでしょう。企業は「突然死」するのです。

 パナソニックやシャープを見れば一目瞭然です。日本の家電メーカーは、自分たちの技術が世界一で、他の国より優れていると思っている。けれど、その水準は国力とともに衰えていってしまっているかもしれないし、他の国の進歩のほうがもっと早いかもしれない。自慢の技術だって、職人気質が強すぎて、技術だけで勝負しようとしている。グローバル化した社会では、技術もノウハウも、世界中に瞬時に伝播してしまうのです。

中国とどう付き合うか

 資源もなく、人件費も高い日本は、本来は製造業に向いていない国です。情報産業であるとか、製造業でもハイテク産業にもっと特化する必要があります。そして、ソフトウェアの製造にさらに力を入れなければいけない。それなのに、ハードウェア、しかも部品の製造ばかりに固執している。一部の技術に頼り、全体として完成度の高い商品にはなっていない。さらに、消費者が何を求めているかというマーケティングもできていない。だから海外で売れない。

 グローバルな視点で、「世界最適地生産」、「世界最適値販売」をしないといけません。ユニクロは世界進出を果たす前から、ヨーロッパやアメリカのアイディアを、中国で製造して、日本で売る、というグローバルな視点で商売を行ってきました。いまでは世界中に販路を広げています。