田原総一朗×竹中平蔵VOL.1――東大を民営化する、それぐらいの改革が日本には必要だ

世界はこれまでと違うフェイズに入ってしまった

田原: 1990年には日本の国際競争力は世界一だった。これが今年2012年には27位に落ちている。先進国でトップだったのに、ドーンといちばん下に落ちてしまった、と。竹中さんはこれをどうとらえていますか?なぜこんなに落ちたのか。

竹中: 要因はそんなに簡単じゃないと私は思いますが、言えることは、ここ何年かやってきたこと、とくに政策が間違っていた、これが一つだと思うんですね。もう一つは、残念ですがこの20年間で世界が以前とは違うフェイズに入った、それが日本にとってはかなり不得意なフェイズに入ったということだと思うんですね。その二つが重なった。

田原: その二つについて伺いたいんですが、まず政策が間違っていたというのはどういうことなんですか?

〔PHOTO〕gettyimages

竹中: ちょっとこれを考えていただきたいんです。最近、金融緩和が取り沙汰されるようになって少し盛り返していますが、ここしばらくの株価は9000円程度です。これは5年くらい前の半分なんですよ。そんな国はないですよ。アメリカはリーマンショックで下がったあと復活して、ほぼ同じになっています。ところが日本は半分になった、と。リーマンショックはアメリカで起きたわけで、日本で起こったわけではないんです。

田原: 竹中さんが小泉内閣で大臣をやっていたときはいくらでした?

竹中: いちばん最終的には、私たちから安倍内閣に引き継いだ2007年7月に1万8000円になっているんですよ。今は半分以下ですね。それで就業者は小泉内閣のときに100万人増えたんです。今はそのときから140万人減ったんです。この間に生活保護が100万人増えたと

みんな騒いでいますけれども、それは働いている人が140万人減ったからですね。それともう一つ、これは本当に注意しなければならないんですが、日本は貿易赤字になったんです。

田原: そうですね、3兆円超えた、と。

竹中: 半年間で3兆円超えたんです。ですから、このペースでいくと1年間で2倍になってしまうんですね。もちろんいろいろな要因はありますよ。原発が停まったので、LNG(液化天然ガス)の輸入を増やしたとか円高だとか、いろいろありますけれども、ちょっとビックリしますよ、今年8月の輸出を5年前の8月と比べてみますと、日本の輸出が25%減っているんです。

田原: 中国へも減っているし、EUへも減っていますね。

竹中: 25%と言えば実に四分の一です。それで、対米輸出は36%も減っているんです。これは明らかに日本の産業の空洞化が原因ですよ。もちろん、リーマンショックとかユーロ危機で需用が減っているとか円高だとか、新聞はいろいろな説明をしていますが、そんな説明では36%も減ったことが説明できないです。これはやっぱり、ここ数年で本当に日本から企業がいなくなっているんですよ。

そうしますと、株が半分になって雇用が100万人以上減って、貿易赤字で輸出が減って、対米関係が悪くなって、日中関係は史上最悪になりました。これ以上何を悪くするんだということを、この3年間でやっちゃったんですね。残念なことですが、そうでなくてもデジタルな時代になって厳しい状況になったのに、この3年間でドドドッととんでもなく間違った政策をやってしまったというのが今の日本だと思います。・・・(以下略)

メルマガ『現代ビジネスブレイブ』より

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら